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函館新聞

函館初ウイスキー蒸留所誕生へ ビハインド・ザ・カスク【函館】

函館初のウイスキー蒸留所開設を発表する澤田代表(左)とみちのく銀行の赤平主任

 函館市元町の蒸留酒販売会社「ビハインド・ザ・カスク」(澤田凌代表)は12日、函館初のウイスキー蒸留所「ディ・トリッパー蒸留所」を開設すると発表した。道内産大麦の麦芽(モルト)を主原料に年間6000リットルの少量限定生産、短期熟成で商品化する計画。今冬の稼働と2024年末の函館産ウイスキーの商品化を目指す。

 函館初となるウイスキー蒸留所は秋に北斗市内に移転予定の同じ元町所在のワイナリー「農楽蔵(のらくら)」の跡地に入る。10月から一部改装に着手する。蒸留所名の「ディ」は1854年のペリー提督来航時の箱館の表記「HAKODADI(ハコダディ)」に由来。開港に始まる函館のウイスキー史や今年がサントリーの山崎蒸留所(大阪府)開設100年となる節目を意識し、道内や埼玉県内の蒸留所でのウイスキー製造経験を持つ澤田代表(32)らが生産を担う。

 6000リットルは国税庁が定める最低年間生産量。根室管内中標津町から大麦を調達。ウイスキーの伝統的な製造方法を踏襲し、1回の仕込みで40リットルの原酒を少量生産し、年140回の仕込みを行う。発酵槽はワイン業界で使われる形状でオリジナル設計の卵型コンクリートタンクを発注し温度管理を容易にする。蒸留機はウイスキー製造に一般的な単式蒸留機(銅製ポットスチル)ではなく、オランダ製の連続式蒸留機(ハイブリッドスチル)を導入する。

 熟成樽は攪拌(かくはん)しやすい小サイズで、スペイン産ファーストフィル(初めてウイスキー熟成に使用する樽)シェリー樽を買い付けた。澤田代表は「1年で出すことは挑戦だが、国産麦を使うことで麦の収穫年でウイスキーでは珍しいビンテージ化もできる。シェリー樽で1年でもしっかりと色がつく。若いと感じさせない熟成した味だと言わせたい」と話す。

 また、海霧が発生しやすい初夏や年間を通じた寒暖差など函館の気候的特徴は熟成に適していると強調。一部は樽のままストックして長期熟成の商品も手掛ける。中長期的課題として「面白い環境の熟成庫を考えたい」とする。

 カスク社は20年9月に青森で創業し、22年5月に移転。輸入ウイスキーを函館で瓶詰めしてオリジナルブランドとして販売。同年秋には函館産スルメイカのイカ墨を原材料に使用したドライジンを委託製造、販売した。

 会見にはみちのく銀行(青森市)函館営業部法人営業課の赤平涼主任が同席。同行が事業資金を100%融資した。年末には樽に入れる前のスピリッツなどを返礼品とするクラウドファンディングを実施予定。

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