1日1組“森暮らし” 手作りホテルオープン【芽室】
包装資材の販売などを手がける「トーアパック」(釧路市)は、芽室町内で1日1組限定のプライベートホテル「Villaえぞもり」(西士狩北6線21)をオープンした。オーナーは同社専務の浦野昭洋さん(42)が務める。木々が生い茂り、十勝らしい農村風景に恵まれ、エゾリスなどの小動物が暮らすこの土地にほれ込み、開業を決意した浦野さん。「自然豊かなこの場所で、心地よい“森暮らし”を提供したい」と思いを語る。
同社は浦野さんの父英二さんが代表を務め、帯広営業所を町内に構える。浦野さんは20代の頃、都内でバーテンダーや料理人として活躍。地元の釧路市へ戻った後も、自身の経験を生かした宿泊施設の運営が夢だったという。
施設の建築は基礎部分のみ業者に依頼し、外観や内装をほぼ手作業で作り上げた。壁や床のほか、テーブルなどの家具にも道東の木材をふんだんに使い、ぬくもりを感じられる設計とした。
宿泊棟は約33平方メートルで、将来を見据えて施設ごと移動できるコンテナハウスを活用。室内はキッチンやシャワー室、テラスにはバスタブがあり、景色を楽しみながら入浴できる。
宿泊棟につながるデッキでは夜空を見上げながら食事を楽しめるほか、子どもやペットも遊べるよう広々とした空間を設けた。隣り合う管理棟は約50平方メートル。
昨年のプレオープンを経て、4月1日に通常営業を開始。宿泊プランは2食付きで大人1人2万円、子ども1人1万円(8歳以下は無料)など。ペット同伴は別途料金となる。
食事は十勝産の食材を豊富に使用する。夕食は浦野さんとスタッフの生天目一総(なまため・かずさ)さん(24)が洋食をメインに振る舞い、朝食は浦野さんの妻詠子さん(43)が担当。手作りのパンや薬膳スープなどを用意する。
道東道音更帯広ICから近く、車でのアクセスがしやすいのも利点。浦野さんは「十勝は中心市街地から少し離れただけで自然豊かな場所があるが、住むとなるとハードルが高い」と話す。その上で「人目を気にせず、森の中での非日常を楽しんでもらえれば」とPRしている。
今年の営業は11月31日まで。詳細や予約は同ホテルの公式ホームページへ。
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