市長就任後、初の記者会見に臨む大泉氏

　２７日に就任した函館市の大泉潤市長は同日、市役所で初の記者会見を行った。大泉市長は、公約の柱に据えた北海道新幹線のＪＲ函館駅に乗り入れに関する調査の実施について、調査費を盛り込んだ補正予算案を６月の定例市議会に提案する考えを明らかにした。

　市長は、北海道新幹線の函館駅乗り入れ調査に関し「６月の補正予算に盛り込みたいと考えている」と表明、実現に意欲を示した。

　また、子育て支援策として公約に掲げた新小学１年生への１０万円支給と、第２子以降の保育料無償化の実現時期は「市議会で議論を深めた上で、早ければ来年度からの実現も視野に入れたい」とした。

　優先して取り組むべき公約は「市民生活に大きな影響を与えている物価高対策に取り組む」とした上で「市民の命と暮らしを守るため、市民生活に不可欠なインフラの整備と、若い人に選ばれる雇用をしっかり整え、地域に誇りが持てるまちを目指す」と力を込めた。

　観光振興に関し、市長は５月１２日から再開する台湾便に期待する一方、工藤寿樹前市長が新型コロナウイルス禍前に進めていた韓国便の就航は「現在の社会状況を踏まえた上で、海外のどの地域を就航のターゲットとするのがいいのか、情報収集しながら総合的に検討していきたい」と述べるにとどめた。

　コロナの感染症法上の位置付けが５月８日から、５類に引き下がることについて「函館市内の感染者数が増え始めている状況もあり、市民には不安もあると思うが、社会経済活動を止めないことと、感染予防を続けることの両立が大事。これまで通り道と連携しながら、しっかりと対応していきたい」と話した。

　財政支出の見直しでは「行財政の改革プランに数値目標を設けるなどして本格的に進めていきたい」と意欲を見せた。

　市長は「市民に温かく寄り添う行政を推進し、若い人たちに選ばれるまちにするため、未来への投資に力を入れる。高齢者福祉にも全力を尽くす。市民の皆さんに協力をお願いしたい」と呼び掛けた。