大勢の職員に見送られ市庁舎を後にする工藤氏

　任期満了に伴う函館市長選（２３日執行）を受け、工藤寿樹市長（７３）が２６日、退任した。市長３期１２年の務めを終え、大勢の職員に見送られる中、笑顔で手を振りながら、市庁舎を後にした。新市長の大泉潤氏（５７）は２７日に初登庁する。

　６階の秘書課前で職員から花束を受け取った工藤氏は、涙を浮かべる女性職員に「泣かないで笑ってください」と声をかけ、１階に移動した。正面入り口前では２００人以上の職員が見送りに集まった。

　大きな拍手が送られ、工藤氏は笑顔で手を振り「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えた。工藤氏は報道陣に対し「市職員時代から５０年間市政に関わってきたが、とても楽しかった」と答えていた。

　工藤氏は１９４９年１１月、乙部町生まれ。函館ラ・サール高、早大法学部卒。７３年旧亀田市入りし、合併で函館市職員に。企画部長、助役・副市長などを歴任し、２０１１年に市長初当選し３期務めた。

　在任中は財政健全化に努めたほか、２０１１年の東日本大震災や１８年の胆振東部地震によるブラックアウトで落ち込んだ観光業の立て直しに尽力。コロナ禍で疲弊した地元経済の支援にも積極的に取り組んできた。４期目を目指して２３日投開票の市長選に立候補したが、落選した。