釧路市阿寒湖にある国の特別天然記念物マリモを展示用水槽に移すための引き上げ作業が２５、２６日に行われた。管理する阿寒観光汽船の職員ら１０人が手作業で、チュウルイ島のマリモ展示観察センターに移動。２９日の湖水開きを皮切りに一般公開を予定している。

　同センターのマリモは５～１１月まで水槽に展示され、施設が閉館する１２～４月までは、同島の観光船船着き場の桟橋下に沈めて保管されている。

　２６日は風雨の中で作業が進められ、５～２２㌢のマリモ１００個を移動。湖水内で付着した泥を落とした後、深い緑色をした球状マリモが次々と水槽の中に入れられていった。

　釧路市教委阿寒生涯学習課マリモ研究室の尾山洋一次長は「昨年１２月の荒天で少し泥は多く付いていたが、例年通りで状態も問題ない」と評価。同社の小林道之企画部長は「コロナ禍も少しずつ落ち着いてきて観光も仕切り直し。改めて阿寒湖のシンボルを見に来てほしい」と話している。同センターへは同汽船の遊覧船で行くことができる。

今シーズンの展示に向け、阿寒湖から水槽に戻ってきたマリモ