「小学生のための伝記・宮沢賢治」 町民が町教委に寄贈 むかわ
童謡「たきび」の作詞で知られる児童文学者の巽聖歌=たつみ・せいか=(1905~1973年)著「小学生のための伝記・宮沢賢治」の再刊が、むかわ町民から町教育委員会に寄贈された。賢治の思想を伝えたいと願う同町の聖歌ファンらが「この本を多くの人に知ってもらいたい」とこのほど、善意を届けた。
伝記は56年に出版され、すでに絶版となっていた。聖歌の没後50年と詩人・宮沢賢治の没後90年に当たり、聖歌が生まれた岩手県紫波町と晩年を過ごした東京都日野市に住むファンらが実行委員会を設立。寄付金を募り、再刊にこぎ着けた。伝記は用語の修正や挿絵を使うなどして、賢治の生涯をより分かりやすく記した。
むかわ町の穂別富内では、廃線となった旧国鉄富内線の線路や駅舎が残る場所に、賢治設計の「瞳」の形をした西洋花壇「涙ぐむ眼」を整備。地域の有志でつくる「ほべつ銀河鉄道の里づくり委員会」が中心となって手入れを続け、賢治の理想郷を感じさせる光景を守っている。
寄贈を受けた伝記は、道の駅「四季の館」内のまなびランド図書室、穂別図書館に1冊ずつ置き、読めるようにする予定。町教委は「今の子どもたちに、かつての偉人のことが少しでも伝わるように紹介していければ」と謝辞を述べた。
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