期待のコメ新品種「空育195号」開発 多収で病気に強い【函館】
![](https://hokkaido-nl.jp/cawm-content/uploads/2023/02/202302281037320_l.jpg)
たくさん取れて病気に強い空育195号(中央農試提供)
道総研中央農試(岩見沢市)は、長年北海道米を支えてきた代表的な品種「きらら397」に替わる新品種「空育195号」を開発した。多収で病気に強く、丼物など業務用適性に優れるのが特徴。道南を含む全道8000ヘクタールで普及を見込み、2024年度に一般栽培が始まる。
きらら397は1988年にデビューし、北海道米のイメージを一新したコメで、適度な粒感があり、たれ通りが良く、丼物などに向く。
コメの用途別の消費割合(20年度、全国)は家庭内食が69%、中食・外食が31%を占め、中食・外食需要が重要となっている。中食・外食向け品種には、収量が多く、値頃感があって一定の品質で安定供給でき、病気に強く農薬使用量を減らすことが求められる。 空育195号は、多収品種の「空系12238」と「空育184号」を交配して誕生。玄米品質がやや劣る欠点があるものの、きらら397に置き換わる品種として期待が高い。
空育195号の特徴は、面積あたりのもみ数が多く、きらら397に比べ収量が18%増。試験の結果、渡島、桧山管内を含む道内全地域で安定して優れた収量性を示すことが分かった。
稲の病気で多い「いもち病」に対する抵抗性は、葉いもち、穂いもちとも「強」で、薬剤(殺菌剤)防除が不要。ただし、カメムシ対策として殺虫剤はまく必要がある。
実需者の評価によると、牛丼や弁当のご飯、冷凍チャーハンなどの適性はたれ通りが良いなど、きらら397並みの評価を得た。
耐倒伏性は稈長(かんちょう)が長く、穂重が重いため「やや弱」となっている。
普及見込みはきらら397、「そらゆき」の全て8000ヘクタールに置き換える。道南農試によると、道南も適地だが、空知や上川管内での面積が多いという。23年度に試験栽培し、24年度に一般栽培が始まる見通し。
道南農試研究職員の丸田泰史さん(33)は「多収で農家の収益が上がる。実需も手頃な価格で大量にコメが手に入るのでうれしいと思う。減農薬栽培ができ、社会ニーズにも合致している」と強調する。
関連記事
品種開発より速く 道南農試で真夏の稲刈り【北斗】
【北斗】道総研道南農試(市本町、藤田真美子場長)は25日、世代促進温室で試験栽培している水稲の収穫を行った。コメの品種開発をより速くするための試験で、今年1期作目。黄金色に実った稲を、職員ら8...
仏モンティーユ社のワイナリー完成 観光振興に一役 函館市桔梗町【函館】
仏ブルゴーニュ地方の老舗ワイナリー、ドメーヌ・ド・モンティーユ社の現地法人「ド・モンティーユ&北海道」のワイナリー(醸造所、函館市桔梗町)が完成し、26日に現地で開所式が開かれた。世界的に知名...
気球体験で阿寒湖一望 地域住民ら空の旅【釧路市】
マリモで釧路を盛り上げ隊(浅野一弘会長)と釧路みなとライオンズクラブまりも支部(馬場英樹会長)は21日、「気球体験会」を釧路市阿寒湖畔スポーツ広場(阿寒湖温泉5)で開いた。地域住民や外国人観光客...
姿勢整え精神統一 28日まで中央院で朝座禅会 苫小牧
苫小牧市元町の曹洞宗寺院「中央院」(荒澤道範住職)は26日から28日まで、本堂で朝座禅会を開いている。初日は市民ら20人が参加。早朝の静寂の中、1時間にわたって精神統一した。 朝座禅会は市民...
燻製カシュー ハスカップの枝で 起業型地域おこし協力隊の山下さん 厚真
厚真町の起業型地域おこし協力隊として活動する山下裕由(ひろゆき)さん(34)は、町の特産品ハスカップの剪定(せんてい)された枝を使用していぶしたカシューナッツを開発した。町周辺の木材を活用していぶ...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
ハグロトンボ、北斗市内で捕獲 道内初確認、既に定着か【北斗】
220日、歩行者天国 浜町通りまつり「HAMASAI」【浦河】
3護衛艦「いせ」十勝港に 22日まで一般公開【広尾】
4「楽しんでもらえる場に」 イベントホール21日オープン、ライブでこけら落とし【室蘭】
5樽前SAにローソン 道内高速道路では初出店 苫小牧
-
1
ハグロトンボ、北斗市内で捕獲 道内初確認、既に定着か【北斗】
2苫小牧キラキラ公園にキッチンカー集結 29・30日、来月6・7日
3グルメや大抽選会 13、14日にのぼりべつ夏祭り×ブランドまるしぇ【登別】
4座礁フェリー室蘭港に 現地調査完了、造船所で仮修理【室蘭】
5ベスト4超え甲子園目指す 浦河高校野球部 10年ぶり南北海道大会へ挑む【浦河】