苫小牧研究林が北大で木工品販売 風倒木や間伐材活用
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター北大苫小牧研究林は、苫小牧市高丘の研究林内で強風により倒れたり、食害で枯れたりした木々を活用した木工品の製作、販売を本格化させている。研究林や森の大切さを広く知ってもらいたい考えで、今月から北大構内の「北海道大学オリジナルショップ」(札幌市北区北8西5)で販売。一部商品は追加注文が入るほどの人気ぶりという。
製作、販売しているのはペンダント、ミニストラップ、コースターの3種類。ストラップはシマエナガやハート形があり、コースターに印字する動物もリスやフクロウなど多彩だ。材料は林内の間伐材や風倒木、シカの食害で枯れたオンコやミズナラ、シラカバなどを使用している。
材料の選定に当たっては研究機関らしく、風倒木であっても動物の住みかになっていないかを見極めるなど十分に配慮している。
各商品には材料に用いた木の種類や研究林の紹介などの解説文を付け、「メイドイン、北大」というブランド名で売り出す。
販売を担当する同研究林の高橋廣行林長補佐は「木のぬくもりを手に感じながら、研究林や自然に興味を持つきっかけになれば」と語る。
木工品は、研究林職員が1点ずつ手作り。研究林の事務所で制作を担当する嘱託職員の杉山弘さん(62)は「デザインをデータ化し、レーザーで下絵を描けるようにするなど、職員が変わっても作れるよう工夫している」と説く。
研究林内の記念館で昨年4月から月1回の開館日に販売する中で評判の良かったものを中心に商品化。研究林以外の施設での販売は「北海道大学オリジナルショップ」が初めてという。4日から扱っている。
価格は500~1000円。ショップではこのほか、杉山さんら職員が林内で撮影したシカやリス、シマエナガなどの写真のポストカードや苫小牧演習林時代の風景を描いた特製日本手拭いも扱っている。手拭いは1986年に実習生や視察に訪れた人らに記念品として配っていたものを昨年復刻したという。
高橋林長補佐は「シマエナガのストラップなど追加注文が入った商品もある。種類をさらに増やしていけたら」と述べた。
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