口承文芸や古式舞踊 平取 シシリムカアイヌ文化祭【平取】
【平取】沙流川(古名・シシリムカ)流域のアイヌ文化伝承活動を発表する第33回アイヌ文化伝承活動発表会「シシリムカアイヌ文化祭」が19日、町中央公民館で開かれ、200人の町民がアイヌ文化の口承文芸や古式舞踊などを楽しんだ。新型コロナウイルス感染症の影響で、通常開催は3年振りとなった。
平取アイヌ協会(木村英彦会長)、平取アイヌ文化保存会(長野環会長)、平取町二風谷アイヌ語教室(川奈野一信運営委員長)主催。
開会式で来賓の遠藤桂一町長は「日頃の学習の成果を楽しみにしている。コロナ禍も少し落ち着き出し道や国関係で出かけることが多くなって、二風谷のアイヌ文化が注目され高い評価を受けていることを感じる。アイヌ文化の振興継承の取り組みは他の地域のモデルとなることは間違いない。町としてもできるだけの支援をしていきたい」とあいさつ。
アイヌ語教室子どもの部で学ぶ子どもたち12人による歌、早口言葉、アンナホーレ(鳥の舞)、エムシリムセ(剣の舞)などが披露。子どもたちのかわいい仕草に会場は盛り上がった。アイヌ語教室成人の部17人による口承文芸では「支笏湖の大蛇」、「大空に描いたコタン」、「ポンヤウンペの妻がかどわかされた」など11演目が披露された。アイヌ文化保存会18人はウポポ(座り歌)、クリムセ(弓の舞)、エムシリムセ(剣の舞)など6演目をテンポ良く披露した。事業報告としてアイヌ語教室所属の加藤優那さん、坂本美冬さん、河合智春さんの3人が1月8日~14日の日程でニュージーランドを視察し、言語教育や歴史について研修したことを報告した。
特別口演では、アイヌ語弁論大会(イタカンロー)最優秀賞受賞者の原田啓介さん弁論部門「今の二風谷の話これからの二風谷の話」、岡本朋也さん同「東京オリンピックでアイヌ伝統舞踊を披露した事について」、飯塚潔子さん口承文芸部門「神の国での木の名前」で3人は流暢なアイヌ語で発表した。
最後に、特別公演として(古式舞踊)招聘団体札幌大学ウレシパクラブの学生17人が、ムックリ(口琴)、フッタレチユイ(黒髪の踊り)、イオマンテリムセ(熊の霊送り儀式)など6演目を踊りフィナーレを飾った。
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