全ての撮影を終え拍手する（左から）山木さん、中原さん、藤監督、中学校教師役で出演したなすびさん

　鹿追町を舞台にした映画「おしゃべりな写真館」（藤嘉行監督）の全ての撮影が１９日に終了した。藤監督は「映画を通して地元の人たちにも『鹿追はきれいなところ』と感じてもらえるのでは」と話している。

　映画は、俳優の中原丈雄さんが主演し、準主役に新人の山木雪羽那さん、賀来千香子さんと橋爪功さんが共演した。妻（賀来さん）を亡くし傷心の写真家（中原さん）が、妻の実家である鹿追の写真館に来て、山村留学をしている女子中学生（山木さん）や地域の人たちとの交流を通して心を癒やす物語。

　撮影の最終日は、町内の建設業、健勝重建（鹿追北５線、相澤政則社長）が無償で貸している倉庫内のセットで、山木さんと中原さんが撮影。終了すると拍手が沸き起こった。

　中原さんは「町民の方に助けていただき、一生懸命良い作品になるようにしなければとの思いで撮影に臨んだ。いい映画になったと確信している」と話した。映画初出演の山木さんは「終わっちゃったなという寂しい思いと、達成感もある。鹿追の人たちにも助けられて撮影ができた」と語った。

　撮影は昨年７月にスタートし、ほとんどを鹿追町内で行った。町民有志が「ささえ隊」（隊長・相澤社長）を結成。撮影スタッフの炊き出しやセット設置場所の無償提供などで協力した。町出身で、映画のプロデューサー須永裕之さんは「撮影は順調に進み、鹿追の人たちには感謝しかない」と話した。

　映画は今秋に公開予定で、初上映は鹿追町内になる予定。