厳寒の防災 備え「安心」 市が3年ぶりに訓練【帯広】
帯広市冬季防災訓練が4日、3年ぶりに市内の豊成小学校を会場に行われた。参加した約80人が、厳寒を意識した災害時の救助方法や停電対策などを、訓練を通して学んだ。
米沢則寿帯広市長が「寒さなどに対する備えの大切さを実感し、自分や家族を守るきっかけとしてほしい」とあいさつ。市で震度6弱を観測した十勝沖地震で、ライフラインが断絶、家屋の倒壊や死傷者が発生したとの想定で実施した。
訓練では3グループに分かれ、救助救出・給水、応急手当て、停電対策の三つの訓練をローテーションで実施し、最後に全員で段ボールベッドなどを作る避難所設営に取り組んだ。
停電対策では、市職員らが屋外でLPガスを使って発電した電力で、暖房として欠かせないジェットヒーターを稼働させる仕組みを説明。電気自動車に蓄積された電気を電源とする照明がともる様子も見せた。
避難所設営では、参加者ら約10人で一つの段ボールベッドを協力して組み立てたほか、ワンタッチで開くテントも設営した。参加者の藤川和男さん(49)は、「段ボールベッドを初めて作ったが、がっちりして良いものだと思った。避難所設営もしっかり考えられていると分かり、安心した」と話していた。
防災訓練は2010年から年に2回、市民と一緒に1泊2日の形式で開催している。近年はコロナ禍の影響で中止していた。今回は、日帰りで炊き出しなどを行わず感染対策を徹底して実施。救助救出訓練のトラッククレーン搬入などで参加した帯広建築工業協同組合など、企業や消防全24機関が協力した。
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