五稜乃蔵の純米酒とともに地場産食材を使った料理を味わう参加者

　緑豊かな農山村地域に滞在し、自然や文化を体験できる旅行スタイルの構築を目指す「函館市グリーン・ツーリズム推進会議」（座長＝石黒侑介北大大学院准教授）は４日、市内亀尾地区でテストツアーを開いた。函館産の地酒と地場食材を使った料理を堪能しながら、函館観光の新たな可能性について意見を交わした。

　亀尾地区に２０２１年にオープンした酒蔵「五稜乃蔵」を核に、市は新たな観光コンテンツを開発しようと、有識者や農業関係者８人で構成する同会議を昨年４月に発足。同９月には同会議メンバーら約１０人によるテストツアーを初めて実施。２回目となる今回は航空会社や宿泊業者らが加わり２４人が参加した。

　市内本町の飲食店「輝なり」の白戸光店主が、函館沖で水揚げされた秋鮭やアンコウ、ゴッコなど旬の食材を使った料理を用意。参加者は五稜乃蔵が醸造した純米酒とともにじっくりと味わった。また白戸店主と五稜乃蔵の川端慎治総杜氏が、料理や酒を通じて函館観光を活性化していくためのアイデアを語った。

　石黒座長は「函館には酒に合う豊富な食材がたくさんあることを改めて認識できた。来年度は市民にもツアーに参加してもらいながら、さらなる検証を進め、観光客にアピールできる魅力的なコンテンツを作り上げていきたい」と話していた。