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苫小牧民報

「ぼうさい甲子園」中学生の部 鵡川中が大賞  むかわ

ぼうさい甲子園 1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の経験と教訓を未来に継承していくため、学校や地域で防災教育や防災活動に取り組む子どもや学生を顕彰する事業。兵庫県などが主催しており、今年度は小、中、高校、大学など123校・団体がエントリー。中学生の部は27校・団体が参加し、地域性や独創性、子どもたちの自主性、継続性などが評価された。

鵡川中の防災活動=昨年12月、災害図上訓練学習から

むかわ町の鵡川中学校(阿部隆之校長)が、優れた防災教育を顕彰する2022年度の「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)の中学生の部で最高賞となる「ぼうさい大賞」を獲得した。2018年9月に起きた胆振東部地震の被災経験を踏まえて取り組むようになった防災集会やハザードマップ学習、予告なし避難訓練などが高く評価された。

 鵡川中は、地震で大きな被害を受けた経験から「むかわの記憶を風化させない」取り組みとして、震災の翌年から9月6日に合わせて防災集会を開くほか、東日本大震災の被災者から当時の話を聞く機会を設け、思いや情報を共有。また、予告なしの避難訓練や沿岸部に近い場所に学校があることを踏まえ、昨年度からは町民にも参加してもらい、ハザードマップを使ったフィールドワークや、災害図上訓練(DIG・ディグ)」を通して自身が住む地域で想定される津波の被害、最適な避難経路を考える授業を展開してきた。

 現3年生については修学旅行で、宮城県石巻市にあり、東日本大震災で被災した大川小学校などを訪問。昨年末には町民と共に避難所運営ゲーム「Doはぐ」を体験した。

 表彰は今月8日に兵庫県内で受け、23日に町役場で受賞を報告。同校の取り組みも紹介した。防災教育を担当する片岡鉄也教諭は「(一連の取り組みを通じ)子どもたちからも防災について声が上がるようになってきた。胆振東部地震の経験が、次の災害が起きた時に命を助けることにつながれば」と話した。

 生徒を代表して町役場を訪れた3年生の奥野愛那香さん(15)は「Doはぐや修学旅行で貴重な経験をした。被災した方の話を聞いて言葉にできないくらいの悲しい気持ちになった」と振り返り、「(東日本大震災では)先生方に防災知識が足りず、子どもたちが津波にのみ込まれたと聞いた。私たちが知識を付けて将来に役立てられたら」と決意を新たにする。生徒会長の梅津絢さん(14)=2年=は「後輩たちにどう伝え、防災を発展させればいいのか、先生、生徒で知識を共有していきたい」と話した。

 受賞報告に竹中喜之町長は「皆さんの日常的な防災減災の取り組みは心強い。いざという時の心構えをぜひ後輩たちにつなげていってほしい」と期待。町でも震災からの創造的復興と防災先導のまちづくりを掲げており、「逆風を力に変えて高みを目指していこう」と結束を呼び掛けた。

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