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釧路新聞

柳町スケート場、屋内化の議論進まず 「氷都くしろ」将来危惧【釧路】

競技中止となった11月26日の釧路市柳町スピードスケート場。風が吹くと溶けた水で氷面が揺れる

 全日本選抜スピードスケート競技会釧路大会(日本スケート連盟主催、釧路スケート連盟運営主管)が11月25日から3日間、釧路市柳町スピードスケート場(通称、柳町)で行われたが、悪天候により大会2日目が中止となるなど、厳しい競技日程、大会運営を強いられた。参加した選手、関係者らは「氷都くしろ」の衰退を危惧。来季以降の大規模な大会開催を危ぶむ声も上がっている。

 五輪出場を目指す有望株133人(男子82人、女子51人)が一堂に会した、全日本選抜競技会釧路大会は3日間で男子7種目、女子6種目の合計13種目を行った。ただ、リンクコンディションの悪化に伴い日程の大幅な変更を余儀なくされ、気温上昇と強風の影響で26日は全競技を中止した。結果として最終日の27日に2日分、男女10種目が集中。一日3種目を滑る強行軍に臨む選手もいた。

 大半が道外から来釧する選手たち。急な日程変更による追加出費は、疲労以上の痛手となった。格安航空券を利用したり、宿泊先も割り引きを見込んで早期予約をするなど、遠征費を切り詰めて転戦している選手たちにとっては、払い戻しが期待できない航空券は紙くず。改めての正規航空券の購入、延泊は無駄な支出と言わざるを得ない。中止判断は仕方がないとしながらも、やり場のない気持ちのはけ口はない。

 そもそも、11月に柳町で公式戦を行うのは無理があった。かつての氷開きは11月1日だったが、地球温暖化の影響もあり、近年のオープンは11月中旬にずれ込み、寒暖の推移によってリンクを開け閉めするのが日常となっている。柳町をホームリンクにしていたという20代の選手は「子供の頃はもう少し寒かったが、今回は気温が高いと感じた」。さらに日程がずれるのは、コンディションづくりに少なからず影響が出るとした上で「屋外リンクが悪いわけではない。何か対策を講じてほしい」と言葉を選びながら話した。

 釧路スケート連盟によると、近年、同時期にスケート合宿で来釧する選手や団体は、柳町で滑ることができるかどうか分からない状態で訪れる。実際、満足な氷上練習ができない事例も少なくないという。図らずも、今大会は選手たちに迷惑を掛けてしまい、平田政之理事長は「自然条件には勝てないが、選手たちのことを考えると本当に申し訳ない」と肩を落とした。

 一方で、同連盟は2018年に同スケート場屋内化推進本部を立ち上げて以降、釧路市スポーツ協会などと連携して再三、釧路市に「柳町の屋内総合スタジアム化」の早期検討を要望しているが、遅々として話が進まない。平田理事長は屋内スピードスケート場のある「スケート王国」十勝に合宿誘致で大きく水を開けられ、競技普及や選手育成でも支障が出ているとした上で「スピードスケートだけではなく、総合的な運動施設を提案している。屋内化は釧路市の合宿促進も後押しできる」と語気を強めた。

 大会パンフレットで蝦名大也市長は歓迎の言葉として、釧路市は「全国でも有数の施設を誇る『氷都』」で「多くの子供たちが未来のオリンピック選手を目指して日々練習に励んでいる」と紹介。出場選手には「日ごろの練習の成果を十分に発揮し、悔いの残らないレースを」とアピールしている。

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