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日高報知新聞

襟裳岬の塹壕跡を踏査【えりも】

【えりも】町郷土資料館北緯42度の会(草野一郎会長)は11月25日、襟裳岬西側段丘地帯に太平洋戦争中(1944年、昭和19年頃)に造成された塹壕(ざんごう)の痕跡を踏査した。

 日高南部森林管理署の許可を得て、会員10人と高木大稔同資料館学芸員により実施した。5月下旬の岬東側段丘地帯の塹壕踏査に次いで2度目。

 襟裳岬周辺の塹壕は、百人浜など岬沿岸に上陸するアメリカ軍の迎撃を想定して、歩兵守備隊を敵弾から防護しながら移動できる溝で、深さ1・5から1㍍ほどに掘り下げて、地域住民も勤労奉仕で動員され掘削作業に従事した。

 この日は、地元在住の南一雄さん(83)の先導で、道道襟裳公園線沿いから段丘地帯に入り、約1㌔㍍区間で、雨風の影響で造成当時より浅くなって、くねくねと蛇行している塹壕跡3カ所、約700㍍を踏査。2カ所にコンクリートの台座状のものを発見したが、ガイド役の南さんは、海上監視塔の跡ではないかと想像していた。

 敗戦時に5歳だった南さんは、現在の風の館付近には海軍の電波探知機による監視所があり、陸軍はアメリカ軍の上陸に備えて、当時の襟裳国民学校(小学校)の屋内運動場を仮兵舎にしていた記憶などを話した。

襟裳岬西側の塹壕跡を踏査する会員たち

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