日比谷公園を出発するアピール行進の一行（根室市提供）

　【東京】北方領土問題を日本の首都で発信する「北方領土返還要求中央アピール行動」が１日、都内で始まった。ロシアのウクライナ侵攻で日ロの平和条約交渉が中断される中、「北方領土問題を置き去りにするな」との決意の下、３年ぶりにデモ行進が復活。根室管内１市４町の市町旗と国民総意の証となる４７都道府県旗を掲げ、そろいの北方領土返還要求マスクと小旗を手にした総勢５００人が「北方領土を返せ！」などと道行く都民らに訴えた。

　根室管内１市４町で組織する北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会（会長・石垣雅敏根室市長、略称・北隣協）の主催で、２００７年度から実施しており今回が１５回目。

　日比谷音楽堂での出発式では、石垣市長が「北方領土問題の前進に向けた志を高く掲げ、ＧＨＱを訪問した当時と変わらない熱い思いを発信しよう」とあいさつ。歯舞群島・多楽島出身の河田弘登志さん（８８）＝根室市＝が「返還要求運動の火を消すことなくまい進し、北方領土問題の早期解決に向け、力強く行進する」と決意を披露し、１・６㌔の行進をスタートさせた。

　内閣府や外務省の副大臣ら衆参の国会議員１６人、鈴木直道北海道知事はじめ道議会議員４人ら計２４人の来賓も参加。「北方領土問題を解決しよう」「返還運動に参加しよう」などと書かれた小旗を振りながら「北方領土を返せ」などと訴えた。今回は「はちまき」に替え、北方領土イメージキャラクター「エリカちゃん」が描かれたマスクを着用した。

　この行進は「北方領土返還運動の父」と言われる安藤石典根室町長が連合国マッカーサー元帥に北方領土返還の陳情書を出した``北方領土返還運動事始め､､の１２月１日に合わせて実施している。根室管内からは元島民や首長ら約５０人が参加した。

　また同じ日、道や千島歯舞諸島居住者連盟（略称・千島連盟）などが主催する「北方領土返還要求アピール街頭啓発」がＪＲ札幌駅西コンコースで行われ、関係者３０人が横断幕やのぼりを使って領土問題を訴えた。