小林さんの作品を楽しむ来場者

　絵画と写真の二刀流アーティストとして活動する小林嵩（たけ）史（し）さん（１６）の個展「シマフクロウあなたと綴（つづ）る物語」が釧路市阿寒湖温泉４のきこりの家ギャラリーで開かれており、独特の世界観を描いた絵画と命の輝きを活写した写真が来場者の目を楽しませている。

　小林さんは札幌市出身で同市在住。さまざまな事情により小学校から不登校となったが、心のよりどころとなっていた絵や写真などの創作活動が評価され、２０２２第１３回道展Ｕ２１では優秀賞を受賞している。

　今年１０月上旬に母親と阿寒湖温泉に旅行で訪れた際、阿寒湖の商店街とアートをつなぐ活動を行う井上綾子さんと偶然出会ったことをきっかけに、小林さん自身２度目で道東初となる個展の開催が実現。井上さんは「こんなにも作家の思いとエネルギーを視覚化した作品は初めて見た」と振り返る。

　ギャラリーには絵画１０点とシマフクロウやタンチョウなどの写真９点、小林さんが製作した絵本「いのちのふね」の原画３点を展示。特にオリジナリティーあふれる絵画は緻密な描写とメッセージ性が強く、帯広から観光で訪れている最中に立ち寄った広瀬智子さんは「命を込めて書いているのが伝わってくるような迫力があった」と話していた。

　井上さんは「技術はもちろんだが、メッセージ性がとても強い作品ばかり。特に小林君と同世代の子たちに見てほしい」と来場を呼び掛けている。新型コロナウイルス感染拡大のため、展示期間は当初の１２月１０日までを同月３日までに短縮した。問い合わせは井上さん０９０（６４１５）７１５９へ。