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釧路新聞

釧路製作所、宇宙産業に参入【釧路】

ロケット開発に必要な精密部品を加工できる門型マシニングセンタ

 橋梁(きょうりょう)など鋼製構造物の製作・設計を行う釧路製作所(釧路市川北町9、羽刕洋社長)は宇宙産業へ新規参入するため、ロケット開発に必要な部品を製造するNC工作機械「門型マシニングセンタ」と3次元測定機を導入した。年内に一部テスト加工を実施し、2023年度中のロケット部品供給メーカーを目指す。

 導入したのはオークマ社(愛知)製「MCR―A5C」で、既存の第2工場(約812平方㍍)を精密加工部品製造専用工場に改修し設置した。同製品は五面加工(X・Y・Z・回転・傾斜)が可能で、一度の段取りで他面加工ができる。最大加工範囲は長さが3㍍、横幅が2㍍、厚さが約1・35㍍で、同サイズの加工は道東では同社のみ。主軸のアタッチメントやヘッドを着脱することで、さまざまな加工に対応することができる。価格は約1億円で導入に当たっては、国の事業再構築補助金6000万円を活用した。

 精密加工するために導入した「ワイドエリア3次元測定機」はキーエンス社(大阪)の製品でおよそ1000万円。3DのCAD(コンピューター支援設計)、門型マシニングセンタ設置のための基礎工事などを合わせると総投資額は約1億5000万円となる。設置した場所は10度以下にできないので、壁面は断熱材で覆われており、今後、仕切り壁を設ける。

 宇宙産業の参入に挑戦することについて、同社技術グループの中川翔太主任(36)と製作グループの中久保侑也さん(28)は「目的は、宇宙事業で新しい技術を習得することと、釧路地区の技術者育成サポートをするための二つ。この事業で会社の価値を高めるとともに、釧路地区の雇用創出につなげていきたい」と述べた。

 同社はこれまで、十勝管内大樹町で小型ロケットを開発するベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(IST、稲川貴大社長)に約2000万円を出資しているほか、小型観測ロケット「MOMO」のロケットエンジン燃焼実験に使用した発射台の設備(縦吹架台)、ISTが23年の打ち上げを目指す人工衛星軌道投入用ロケット「ZERO」のエンジン横吹燃焼実験の騒音対策に使用する「大型燃焼実験用サイレンサ(防音壁)」を製作してきた。今後、ロケット発射基地や組み立て棟の製造・建設も予定している。

 同社経営企画室の田邉篤巳室長は「5年後の一つの目標として、橋梁事業4割、鉄鋼、水門事業を2割、そして宇宙事業を2割と考えていく。23年度中に精密加工を稼働させ、部品納入を開始し、ビジネスとして参入する」と語った。

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