丁寧に骨から肉を取り外す朝妻さん（左）の技術に見入る学生

　函館短大付設調理製菓専門学校（山本仁志校長）は、同校で今年度のエゾシカ解体特別講座を開いた。調理製菓総合科１年生１３人を対象に、職人が見事な包丁さばきを披露した。

　１５日に実施。貴重な経験を積んで将来活躍できる社会人になってもらおうと、毎秋に企画。函館市米原町のわな師渋田喜徳さん（７５）が、白石町で１４日に捕獲した３歳の雄の枝肉を提供した。

　朝妻商店（千代台町）の朝妻豊史専務（７１）がさばき包丁（骨すき）を使い、フィレやロース、バラ、内モモ、スネ、シンタマなど１４の部位に３０分かけて切り分けた。学生たちはプロの素晴らしい技術に目を奪われていた。

　吉田徹教頭（西洋料理）が「骨から肉を取り外す技術はなかなか見られない。じっくり見て勉強して」とアドバイス。築田遥輝さん（１８）は「包丁を関節に沿って入れる技術は素晴らしい。とにかく肉の解体は難しいことが分かった」と感心していた。

　吉田教頭が手本を見せ、キノコソースのシカ肉ソテーを試作。学生たちは今回さばいたシカ肉とは別の肉を使い、調理に臨んだ。