透明感ある歌声披露 ウクライナ出身ナターシャさん、釧路でコンサート
ウクライナ出身の歌手、ナターシャ・グジーさんのコンサートが15日、市生涯学習センターで開かれた。全国47都道府県を巡る「希望の大地」チャリティーツアーの一環。民族楽器「バンドゥーラ」の哀愁を帯びた音色とともに美しく透明な歌声で、オリジナル曲「希望の大地」などアンコールを含め11曲を約600人の聴衆に披露した。
釧路商工会議所女性会(吉田敦子会長)の主催で設立50周年記念事業として開催。ナターシャさんは民族衣装を身にまといステージに登場した。ウクライナの音楽に加え、スタジオジブリのアニメ「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」や「防人の詩」「秋桜(コスモス)」など、日本でもおなじみの曲も演奏した。
曲の合間にはバンドゥーラや6歳の時に経験した故郷のチョルノービリの原発事故などについて紹介。このうち、原発事故では、当時の状況を克明に語り「30年以上前に起こった悲劇はまだ終わっていない。同じ過ちを繰り返さないでほしい」と力を込めた。また、9曲目に披露した「希望の大地は」を母国の応援歌として繊細、かつ力強く歌い上げた。
同ツアーの北海道公演は釧路のみで、経費を除いた収益はすべてウクライナの人道支援に充てられる。吉田会長は「来場いただいた方に、いかに平和が尊いのかを改めて感じてもらえたと思う。皆さんから寄せられた善意をきちんと橋渡ししたい」と話していた。
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