【えりも】町内の児童・生徒たちに、町政と町議会への関心を高めてもらうための「第12回子ども議会」が10月31日、町議会議場で開かれ、小・中・高生９人が、ひとり１件ずつの一般質問を議会のルールに従って行った。町議会（石川昭彦議長）の主催。

　議場には、町議と大西正紀町長と理事者、町幹部職員が出席。傍聴席では、各校校長と引率教諭、保護者など15人が参観した。

　開会冒頭に石川議長は「この場所は、町民の安心・安全について協議するところ。えりも町の町づくりに、普段疑問に思っていることや問題意識があれば、再質問できる。皆さんが町づくりへの興味を高め、将来町議会へ参加を期待する」と述べた。大西町長は「みなさんが、えりも町をどのように見ているか、どのようにしたいか参考になる。防災対策など質問にも答え、要望実現に努力する。住みやすい町づくりに、一緒に努力しよう」とあいさつ。

　一般質問は、岩間光紅さん（笛舞小６年）が「子どもたちが町に愛着と理解を深められる体験を考えてほしい」と質問。川上松美教育長が「笛舞小では、水産資源保護のためのマツカワ稚魚の放流、帯広市の広野小との長年の交流、地元の人の地域づくり講話、中高生になると緑化事業体験もある。今後は、ヘリコプター体験搭乗も計画して、えりもの良さを知るチャンスを作りたい」と答弁。

　板垣澪世君（えりも小６年）の「町の防災や減災への取り組み」には、大西町長が「千島・日本両海溝沖地震による津波発生では、えりも高校を最終避難所に指定しており、本町方面からの避難では、えりも中校舎裏通りから高校への直接避難車道建設を計画している。各地区の避難所は、より高い場所への避難物資倉庫を計画している。各学校でも１日防災学校での避難訓練を続けてほしい」と答弁。

　駿河湊君（えりも岬小６年）は「学校グラウンドに遊具の設置について」。氷見真嗣君（庶野小６年）の「避難路について」には、大西町長は「庶野小から桜公園への避難路は11年前に整備し、地域住民と町防災担当者も見回っている。公園内に屋根付き避難場所の整備を検討している」と答弁。

　富沢晄成さん（えりも中３年）は「スポーツ公園内にウォーキングコースの設置を」、渋田瑠香さん（同）は「学校の設備について」、神田玲美さん（同）は「ゴミが落ちていること」について。

　田丸朔さん（えりも高２年）は「町の交通安全について」。大江翔陽さん（えりも高３年）は「町の将来の展望について」で、人口の減少で活気の低下、人口流失食い止め策、えりもの魅力発信、帰って来たくなる町づくり、えりも高校の存続対策を質した。

　大西町長は「えりもには豊かな海があり漁業専業で生活が成り立つ。国立公園化も目前にきている。風力エネルギーを活用できるので、少しぐらいの人口減少でも耐えられる。町の将来について感じたことを意見として町に伝えてほしい」と答弁。

　川上教育長は「高校はこの町に無くてはならない存在、さまざまな指導が可能な先生たちを迎えて中高一貫教育を存続させる」と答弁し、活発なこども議会に終始した。

活発に質問した９人の子ども議会議員（前列と２列目）