TPG認証取得、三菱製鋼室蘭特殊鋼 世界市場供給に弾み、洋上風力発電部品用鋼材【室蘭】
三菱製鋼室蘭特殊鋼(室蘭市仲町、得地一匡社長)は、洋上風力発電設備向け部品用鋼材のサプライヤー(供給元)としてTPG(Transportation&Power Generation)認証を取得した。長家一浩副社長・室蘭製作所長は「(洋上風力発電関連の)鋼材として具体的な動きは初めて。スタートから一歩を踏み出せた感覚はある」と話している。
TPG認証は米国の品質保証制度で、同社は鉄鋼製造の分野で認証を取得。世界で3社目。同社では、風車のタワー部を接合する際に使用するフランジボルトの製造を行っており、顧客からTPG認証取得の要請を受けたため、昨年から準備を進めてきた。
ボルトは2メガワットほどの発電機1基あたり500本前後を使用する。特殊鋼を製造する上での品質管理について、国内外規格のJIS、ISO認証取得時のノウハウを生かして書類などを作成。7月に管理基準の現地審査が行われ、9月に認証を取得した。
担当の小沼正明品質保証部長は「米国の制度なので、全て英語で書類作成するなど苦労したが、取得した後にいくつかのメーカーから問い合わせがあった。認証はボルト以外にも適用されるので、今後に生きてくる」と意義を述べる。
同社の親会社・三菱製鋼は、室蘭脱炭素社会創造協議会や室蘭洋上風力関連事業推進協議会(MOPA)に参加するなど、市内の洋上風力発電関連事業を重要な成長分野として位置づけている。
長家副社長は認証取得について「一つの営業的な起爆材になることを望んでいる。お客さまが相談しやすい方向に進んでいけば」と展望を話している。
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