避難タワー3~4基建設 セチリ太地域、住民に計画説明会【釧路町】
【釧路町】日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による大津波被害に備え、町がセチリ太地域に避難タワーを建設する計画についての住民説明会が4日、富原大通会館で始まった。説明会は12日まで4会場で行われ、町の方針を示すほか地域住民の意見を募る。
この日午前10時から行われた説明会には、小松茂町長と佐々木喜代孝副町長、防災安全課職員が出席。地域住民9人が参加した。
同地域には町民の半数以上となる約1万100人が居住する。想定では地震発生後、釧路川河口に近い北見団地と新開地区は30分程度で浸水が始まり、浸水深は最大5㍍。建物の全倒壊数は最大1900棟、冬季の夕方で最大5700人が死亡する恐れがあると予測する。
町では居住人口に対し、指定緊急避難場所の収容人数が人口を上回っているが、休日は人口の1・35倍が集まると試算。大型商業施設は町外の人も集まるため、避難者数が人口を超えることも想定される。
また同地域は、徒歩避難が可能な半径500㍍の避難限界距離圏外が3カ所あり、南側で釧路川にも近い北見団地、新開地区は高い建物がないことから、3~4基のタワー建設を計画。北側は浸水開始が60分程度で浸水深が最大1㍍、南東側は同3㍍で来年度供用開始する防災交流センターが避難機能を持つことなどから、南側を優先し2023、24年度で整備したい考え。
町は改正特措法の特別強化地域に指定され、避難施設整備に対する国の補助率が3分の2に引き上げられているが、総工費は20億円を超えると見込む。参加者からは財源に対する不安や防災広場整備などの要望が寄せられた。豊美在住の塩兼一さん(73)は「避難訓練には必ず参加している。町の負担額が大きいので心配だが早期に整備してほしい」と話していた。
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