中華圏の観光客受け入れ強化へ研修 渡島総合振興局【函館】
渡島総合振興局は、新型コロナウイルスの水際対策の大幅緩和に伴うインバウンド(訪日外国人)需要回復を見据え、台湾や中国からの観光客の受け入れ体制強化を進めている。函館は台湾で人気の高い観光地で、直行便の復便を期待。24日には、函館で中国語入門講座を開き、参加者が中国語の苦手意識を払拭(ふっしょく)し、もてなし向上に向け一歩を踏み出した。
振興局と道観光振興機構(札幌)は、サン・リフレ函館でインバウンド観光人材スキルアップ研修を開催。観光関連事業者14人が参加した。
中国遼寧省出身で、ライフブリッジ(仙台市)中国語講師の布川惠英さんが講演。中華圏は地理的に東北三省、華北地区、華東地区、華南地区、西北地区、西南地区に区分できると説明。言語は共通語があるが、文字は簡体字(中国本土、シンガポール)、繁体字(台湾、香港、マカオ)に分かれるとした。
中国語の発音も披露し、声調(第一~四声)が最も難しいと強調。声調→単語→文法の順に覚えると効果的だと説いた。接客の際には「中国人は漢方の考えから暖かいものが好きで、氷を入れた水よりお茶または白湯がいい」とアドバイス。困ったときは筆談で、繁体字を使う台湾、香港はほぼ日本と同じ文字で意味が通じるとし「笑顔は世界共通の言語」と締めくくった。
また、タナベコンサルティング北海道支社(札幌)のコンサルタント、矢野裕之さんが観光・ツーリズムのトレンドやもてなしの着眼点を解説した。
函館山ロープウェイ索道サービス部の國上果歩さん(27)は「観光施設に勤めているが、知らないことがたくさんあって勉強になった。コロナ禍前は台湾や中国からのお客さまがほとんどで、1日も早くにぎわいが戻ってほしい」と話していた。
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