勝手丼の注文に群がる生徒たち

　道内外から訪れる観光客の復活が勢いをみせている釧路市の和商市場は修学旅行も戻り始め、１３日には東京・麻布高校の２学年７７人が来訪。多くの学生が勝手丼の注文に殺到し、勝手丼の全国人気が今も健在であることを証明した。今年、同市場を訪れた修学旅行はすべて道外からで、計１５校で延べ１７回、来場者は１０７２人を数えている。

　麻布高校の修学旅行は、学生が行き先を検討し決定するシステムを採用している。今回は４コースに分かれ、うち道東コース（３泊４日）を選択した学生７７人は１２日、帯広空港に到着し、十勝地域でラフティングなどを楽しんだ。２日目は釧路入りし、最初に同市場を訪れた。

　道東訪問を決めた旅行委員の学生２人は「修学旅行でなければ訪問できない地域を検討し、自然豊かな道東を行き先に決めた」と説明し、勝手丼を頬張りながら「オヒョウは初めて食べたけど、おいしい」と話していた。一行は次に釧路湿原展望台に向かい、鶴居村の温根内ビジターセンターまで遊歩道を歩き、阿寒湖温泉へ向かった。３、４日目は知床、網走方面を巡る。同校は３年前にも修学旅行生が訪れている。

　同市場を訪れる修学旅行は、コロナ禍２年目の昨年も中止が相次いだが、今年は６月、兵庫県の甲陽学院高校を皮切りに、大阪、東京、神奈川などの小中高校が相次ぎ来訪。７月には愛知の桜丘中学校など５校、９月にはヨコスカ調理製菓専門学校など５校が名を連ねている。同市場では「修学旅行も復活し始めている」と今後に期待感を示している。