北大とモンベル 初の共同事業 今月苫小牧研究林で自然体験
アウトドア用品メーカーのモンベル(本社大阪市)と北海道大学北方生物圏フィールド科学センターは共同で初の自然体験事業を企画し、今月に苫小牧市高丘の北大苫小牧研究林で開催する。調査に参加しながら、高木の枝葉が茂る林冠の観測用ゴンドラに乗ったり、最先端機器を使って魚の探索をしたりと珍しい体験プログラムを用意。参加費は1人8000円で、売り上げの一部を同研究林の活動に充てる。
国内唯一の林冠観測用ゴンドラは地上高25メートルで半径40メートルを移動できるクレーンにつるされ、枝葉や生き物を観察できる。森を散策してネズミや昆虫、落ち葉の調査も行い、それぞれに解説が付く。幌内川の魚類調査では、専用機器を使った魚の探索や捕獲、追跡用マイクロチップの取り付けなどを体験する予定。同研究林は「例年だと紅葉時期なので、きれいな景色も楽しめるのでは」という。
調査現場で指揮を執る同センターの岸田治准教授は同研究林について「自然科学分野で世界最先端の研究をしているが、市民に知られていないのが現状」と説明。「モンベルの幅広いネットワークで宣伝してもらい、研究林の取り組みを知らせる貴重な機会にしたい」と語る。
モンベル広報部は「研究林の知識や経験を基にしたコンテンツの魅力に加え、最先端の研究が手軽に体験できるのもメリット」と指摘。「普段のアウトドア活動より、一歩深く自然環境について知るきっかけになる」と環境保全活動の推進にも期待を寄せる。
日程は23日または27日で(1)午前9時~午後2時(2)正午~午後5時―のいずれかを選ぶ。対象は小学生以上で、約5時間の屋外活動をこなせる体力があれば参加可。集合場所は同研究林。同社スタッフの他、研究林の技術職員約10人も指導に当たる。
申し込みや問い合わせはモンベル・アウトドア・チャレンジ 電話06(6538)0208またはフリーダイヤル(0120)936007。
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