けがき試作機器完成 北海道機械メンテナンス【室蘭】
作業効率、各段アップ
産業機械設計・製作の北海道機械メンテナンス(室蘭市東町、鈴木隆社長)は、鉄板に目印を付けるけがき作業の負担軽減を図る機械の試作品を完成させた。実用化に向けて改良を重ねる。将来的にはけがき作業を行うものづくり企業への販売も目指している。
けがきは、金属の表面に傷をつけて線を引く工程。金属を専用機器に固定して線を引いた後、さらに金属を回転させて線をもう1本引く。交差部分にポンチと呼ばれる工具でマーキングすることで、穴を開ける際の目安となる仕組みだ。
ただ、金属の種類によっては複数人で対応することや、線を引く際には金属を回転させる必要性があることで、手間のかかる作業だった。改善に向けて、負担軽減を図る産業機械の開発に着手。室蘭テクノセンターの補助金を活用して試作品を完成させた。
けがきで用いる機械は従来、鉄製だが、試作品ではアルミを採用した。付属品含めて重さは100キロほど。2人で持ち運びができるサイズだ。
土台全体は長さ1・36メートル、幅は56センチ。このうち作業場所は1メートル×50センチ。クレーンのようなアームに二つのハンドルが付いており、回すことでディスプレーに始点からの距離が表示される。同時に、先端がドリル状になっている機器が移動。正確な位置をポンチと同様にマーキングすることが可能だ。
従来にあった、金属を回転させて線を引く工程を省いたことで、作業時間の短縮化に成功。小山内政敏取締役機械工事部長は「作業時間はおおむね従来の半分ほどになる」と話す。複数の金属に同じ場所にマーキングするのであれば、金属を入れ替えるだけで、ドリル状の機器を稼働させる
のみで可能になる。作業効率は格段にアップする。今後試運転を重ねて、課題を抽出。年度内の完成を目指す。
鈴木社長は「金属に入れた線は見えづらく、探すだけでも一苦労する。開発した機械を用いれば工程は大幅に短縮する。ポンチは人の手でやると斜めになることもあるが、機械では真っすぐになる。金属を回転させる必要もないので、けがの防止にもつながる。安全面での期待も大きい」と話している。
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