地域の支援に感謝 トヨタ北海道 創業30周年記念式典
苫小牧市勇払の自動車部品製造業、トヨタ自動車北海道(北條康夫社長)は5日、創業30周年記念式典を同社で行った。新型コロナウイルス感染対策で、参加者を同社役員など関係者、来賓ら約50人に限定。北條社長は「30周年を迎えられたのは地域の支援あってこそ」と感謝し、「トヨタの北の拠点として環境に優しい魅力ある製品を提供し続け、未来へのチャレンジを加速したい」と強調した。
北條社長はあいさつで、道内ものづくり企業の最大手として成長した30年を振り返った上、「道産子企業」として社会課題解決やカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ)などに挑戦する姿勢を示し、「北海道の皆さんに少しでも恩返しし、北海道になくてはならない企業になる」と述べた。
来賓の岩永正嗣道経済産業局長、鈴木直道知事が祝辞を述べ、トヨタグループを代表して前田昌彦トヨタ自動車(愛知)副社長もあいさつに立った。鈴木知事は「自動車関連産業のけん引役として、本道経済の活性化に多大な尽力を頂いた。本道における役割はますます大きくなる」と期待を寄せた。
同社は節目を記念して市にプラグインハイブリッド車「RAV4PHV」を寄贈した。電気を取り出して供給できるため、公用車使用のみでなく防災にも役立つ車両。岩倉博文市長は鍵のレプリカを受け取り、乾杯の音頭で「さまざまな分野で地域に貢献していただき、市民と共に心から感謝したい」と述べた。
同社は苫小牧港・西港臨海部103ヘクタールにある第1~5工場で、国内外トヨタ車向け駆動系部品の自動変速機(AT)、無段変速機(CVT)、ハイブリッド・トランスアクスルなどを生産。売上高は年間2000億円規模、従業員数は3600人規模で、地域の経済や雇用をはじめ、文化やスポーツなど幅広い分野の振興に寄与している。会社設立は1991年2月だが、生産活動が始まった92年を創業に位置付け、創業記念日を9月6日としている。
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