バイオガスからLPガス 町と古河電工 製造試験【鹿追】
鹿追町と古河電工(東京、小林敬一社長)は18日、地域資源を最大限利活用した脱炭素・循環型社会の実現に向けた包括連携協定を締結した。同町中鹿追で家畜ふん尿由来のバイオガスからLPガスを合成し、商用化を目指す実証試験に国内で初めて取り組む。
同社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業に4月に採択された。化石燃料を原料としないLPガスの合成技術開発と社会実装に向けて、北海道大学、静岡大学と連携して研究してきた。
鹿追町では、町環境保全センターで、家畜ふん尿由来のバイオガスをもとにLPガスを合成し、商用化に向けた実証試験を行う。NEDOの審査を受け認められれば、実験プラントを建設して2026年度まで技術的な確認を行う。その上で27年度から30年度末まで商用化に向けた実証プラントを建設、運転する。実験プラントでは年間200~300トン(一般的な家庭500~700世帯の年間使用量)、実証プラントでは同1000トンのLPガスの製造を目指す。
同日開かれた共同記者会見で、小林社長は「環境省の脱炭素先行地域に選ばれ積極的に取り組んでいる鹿追町と会社の考えが一致し、候補地とした」と語った。喜井知己町長は「家庭での脱炭素は大きな課題。家庭でクリーンなLPガスを使用できることに期待し、協力していく」と話した。
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