走る満寿屋パン バス型移動販売車導入 コロナ前へ“店外”強化【帯広】
満寿屋商店(帯広市、杉山雅則社長)は、新たに移動販売車「ますやのバス」を導入した。新型コロナウイルス対策として店外販売の強化を図り、コロナ禍以前の売り上げを確保することなどが狙い。車内を店内に見立てた設計で、子どもの買い物体験など食育にも積極的に活用していく考え。
中古マイクロバスを改装。車内での買い物を想定し、パンを並べられる棚、一定量のパンを保管できるスペース、レジも配備。車体デザインは、ひよこデザイン(帯広市)の菊池尚美代表が担当。杉山社長が掲げる「とかちパン王国」をイメージし、同社の白スパサンドやねじりドーナツなどが「温かなタッチで描かれている」(杉山社長)。事業費は約500万円。
移動販売車は、旗艦店の一つである「麦音」をベースに活用する。同社によると、麦音は観光客の割合が高く、混雑防止対応と相まって店内販売量がコロナ前に比べ減少している。移動販売は同社でも以前から実施し、一定のニーズがあったことから、店外販売の強化策として導入を決めた。
一方、同社では食育プログラムも推進している。移動式石窯(いしがま)を持ち、杉山社長自ら焼き上げる出前ピザ活動にも力を入れており、移動販売車とセットで子どもたちへの食育活動にも利用する。
22日には、帯広葵学園が運営する認定こども園・つつじが丘幼稚園(河合昇男園長、園児192人)の年長組スペシャルサマーデーのゲストで初出動。約60人の園児が「ミニチョコクロワッサン」など4種のパンから引換券で“購入”体験した。ある男児(5)は「おいしいパンが買えてうれしかった」と話した。
杉山社長は「麦音は冬季売り上げが夏季より約2割少なく、コロナ禍も加わり、売り上げ確保が課題だった。小麦収穫期の産地訪問販売などニーズに合わせ出動し、コロナ前の売り上げ確保を目指す」と話した。
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