日光浴をするツヨシ（2009年４月、釧路市動物園）

　釧路市動物園（鈴木貴博園長）は２２日、繁殖のために神奈川県よこはま動物園ズーラシアに貸与していたホッキョクグマ「ツヨシ」（雌、１８歳）が１７日に死んだと発表した。釧路市動物園の人気者として親しまれていたため、同園では「１１年間釧路におり、市民からとてもかわいがられていた。早くに亡くなったのは本当に残念」と惜しんでいる。

　ツヨシは２００３年１２月に札幌市円山動物園で生まれ、０５年１月に釧路市動物園へ来園した。当時は雄のホッキョクグマと思われていたが、その後雌と判明したことで話題を呼び、同園のアイドル的存在に。繁殖のためよこはま動物園へ貸与が決まった時には壮行会が行われるなど、多くの市民から愛された。

　死因は肝臓、腎臓、卵巣に発生した悪性腫瘍。今年４月から食欲不振、元気消失があり、６月には悪性腫瘍が判明したため展示は控えられ、経過観察を行っていたという。

　市動物園の応援団「ツヨシプロジェクト」代表の田村悦子さん（７１）は、「ツヨシの寿命だとしたら受け入れなければならないが、本当に残念でならない」としながらも、「横浜でも人気者で、みんなに夢を与えていた存在。私にも動物の素晴らしさや多くの仲間を授けてくれて感謝している」と話していた。

　釧路市動物園では２頭のホッキョクグマを飼育展示しているが、「キロル」（雄、１３歳）は繁殖のために円山動物園から借り受けしている。ツヨシが死んだことにより、同動物園所有のホッキョクグマは「ミルク」（雌、９歳）のみとなった。