柏葉さん 国際水墨芸術大展で審査員特別優秀賞【函館】
水墨作品の公募展「国際水墨芸術大展2022」(国際水墨芸術促進会主催)で、函館市在住の柏葉禧子(とみこ)さん(81)が出品した「里山-雪どけ」が審査員特別優秀賞を受賞した。故郷の景色と北海道の春を重ね合わせた作品で、受賞を喜んでいる。
東洋絵画、水墨画の振興と中国との文化交流促進を目指し、2003年から開かれている公募展。柏葉さんは、応募作品は構図を固めるのに1カ月ほど掛けた後、一気に描き上げた。墨の濃淡で雪が残る山肌を表現し、すそ野には小さな家々を描き、故郷の愛媛県の思い出を重ねた。6月15~21日に東京都美術館で日中国交正常化50周年記念特別展として開かれた作品展で展示された。
柏葉さんは水墨画家の竹中征機さんに師事し、画歴は15年。「10年を過ぎたころから(墨の濃淡で色を表現する)『五彩』という言葉が持つ、風や深さを出すといったことがようやく分かるようになってきた」と話す。
毎日筆を持ち、色紙などに作品を描くほか、最近は般若心経と仏像画を合わせた作品にも取り組む。「新型コロナウイルスの終息と普通の生活に戻りたいと祈りながら描いている。出掛けることもできなかったが、作品に集中できてありがたい時間だった」とし、コロナ禍が落ち着いた後に個展開催を心待ちにしている。
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