３年ぶりの脱国寸劇を成功させた出演者たち

　函館から海外渡航に成功した新島襄（１８４３～１８９０年）の脱国シーンを再現した寸劇が１７日、函館市地域交流まちづくりセンターであった。函館水産高校（亀山喜明校長）の生徒ら６人が出演し、新島の詠んだ漢詩「男児、志を決して千里を馳す…」を情感たっぷりに吟じ、観客から喝采を浴びた。

　１８日の「海の日」にちなみ、函館のまちおこしグループ「笑福七福神祭実行委員会」（井上清美委員長）が主催し、今年で１４回目。新型コロナウイルス感染拡大で２０２０年、２１年は中止しており、開催は３年ぶり。雨のため新島襄海外渡航の地碑前（大町）から会場を移して実施した。

　出演したのは、笹谷海光さん（１７）＝海洋技術科３年＝、佐藤瀬里菜さん（１７）＝品質管理流通科３年＝、北山純也さん（１７）＝同科２年＝、卒業生の水戸隆太さん（２６）、小島祥さん（２９）と、水産高の教科書などを手掛ける海文堂（東京）編集部長の岩本登志雄さん（６４）。

　劇は別れの杯、逃避行、再会の３幕。生徒たちは日本詩吟学院函館支部長の千葉岳憲さん（７６）と事務局長の堀川徳司さん（８１）から今月７、１４日の２回、詩吟の稽古を受けた。

　北山さんは「腹から大きい声が出せて良かった」と笑顔。学校法人同志社（京都）の西山啓一常務理事も駆け付け「新島の志は同志社のものだけでなく、多くの人に共有してもらえれば」と話していた。