北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

苫小牧民報

山崎さんに「文化賞」 菅野さん「奨励賞」受賞 アイヌ民族文化財団 功績たたえる  白老

白老町でアイヌ文化の伝承活動を続ける山崎シマ子さん(81)が公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市)の2021年度「アイヌ文化賞」、菅野節子さん(77)が「アイヌ文化奨励賞」を受賞し、7日に町内で贈呈式が行われた。

「アイヌ文化賞」を受賞した山崎シマ子さん

「アイヌ文化奨励賞」に輝いた菅野節子さん

 両賞は、アイヌ文化の伝承と振興に貢献した個人や団体に贈り、功績をたたえるもので、同財団が毎年実施している。今年度は山崎さん、菅野さんを含め道内外の5個人1団体を選んだ。

 最高賞のアイヌ文化賞に輝いた山崎さん=町高砂町=は、1986年から同町の旧アイヌ民族博物館に勤務し、織物や編み物など女性の手仕事を中心に伝統工芸品の復元制作に携わった。また、白老民族芸能保存会のメンバーとして古式舞踊の伝承・保存にも尽力した。現在はアイヌ伝統工芸サークル「テケカラペ」の代表を務め、伝統文化の担い手育成に努めている。

 受賞に山崎さんは「伝承活動を続けてこられたのは、私たちの先祖が素晴らしい作品を残してくれたおかげ」とし、「このような立派な賞を頂けたことをサークルの生徒にも感謝したい」と述べた。

 白老で生まれ育ち、アイヌ民族の血を引く家系ながら、親からはアイヌ文化を学ぶことはなかった。「アイヌ文化に関わらなくてもいい。それが親の教えだった。たぶん、アイヌ民族への差別など苦労したからではないか」と言う。しかし、旧アイヌ民族博物館で伝統工芸の仕事に携わってから、「先祖が継承した文化の奥深さに気付き、私の体に流れるアイヌの血を意識するようになった」と言い、「元気なうちは伝え残す活動に励みたい」と意欲を見せた。

 一方、菅野さん=町北吉原=は、町内の生活館でアイヌ文様刺しゅうの講師として活躍し、2013年に刺しゅうサークル「エミナの会」を結成。毎年、作品展を開くなど伝統文化の伝承に励んでいる。白老民族芸能保存会にも所属し、東京五輪の公認プログラムとして昨年、札幌市で行われたアイヌ古式舞踊のステージにも出演し、日本の先住民族文化を世界に発信した。

 受賞に菅野さんは「活動を通じて人と人のつながりが生まれ、広がっていったことがうれしい。賞を励みにこれからも文化振興のお手伝いをしていきたい」と話した。

 町内で行われた賞の贈呈式では、同財団の常本照樹理事長が2人に賞状を手渡し、今後の活躍に期待を寄せた。

 アイヌ文化奨励賞には菅野さんの他、新ひだか町の秋田てるさん(73)、釧路市阿寒町の秋辺日出男さん(61)、栃木県小山市の丸子美記子さん(64)、十勝管内幕別町のマクンベツアイヌ文化伝承保存会が選ばれた。

関連記事

十勝毎日新聞

ポイ捨てゼロ願う ごみ拾い“袋文字” SNSで発信「皆さん考えて」【帯広】

 帯広市西9南1の加藤芳規さん(82)は8年前から毎日、近所のごみ拾いを続け、ごみ拾いSNS「ピリカ」に、2週間分のごみを集めた袋で作る文字アートの写真を投稿している。これまで「ポ・イ・ス・テ」な...

十勝毎日新聞

マチルダ 袋いっぱい 大感謝祭【芽室】

 芽室町内の農商工などが連携して町をPRするイベント「めむろ大感謝祭2024」(実行委主催)が23日、JAめむろで開かれた。大勢の家族連れらが訪れ、芽室の味覚を味わっていた。  「芽室に感謝す...

十勝毎日新聞

災害対応 海と空から 負傷者、物資の輸送訓練【広尾】

 広尾署と広尾海保などは21日、広尾町内の沿岸部で、災害発生時の負傷者や救援物資の海上輸送を想定した合同訓練を実施した。巡視船「とかち」や道警の災害ドローンが出動、緊急時の連携対応を確認した。 ...

函館新聞

函館市南茅部地区パワースポット巡るモニターツアー 観光庁の地域観光新発見..

 函館市南茅部地区のパワースポットや食文化に触れるモニターツアーが現地で開かれ、18人が参加した。参加者はパワースポット「吹上石(ぬけいし)」「垣ノ島遺跡の丘状遺構」を訪れ〝特別感″を満喫した。ア...

函館新聞

桜庭さん勝負の1年 ボウリング 12月マレーシアで大会 来年のデフリンピ..

 函館市の会社員、桜庭まどかさん(36)が、12月1日からマレーシアで開かれるボウリングの第10回アジア太平洋ろう者競技大会に日本代表選手として出場する。来年11月に東京で行われる4年に一度の聴...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス