北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

室蘭民報

全国に先駆け災害協定 室蘭歯科医師会と日鋼記念病院【室蘭】

協定書を手にする仲川会長(右)と有賀理事長

有珠山噴火震災発生時、円滑な医療活動へ

 室蘭歯科医師会と日鋼記念病院は18日、西胆振で発生した災害時に歯科医療活動をスムーズに行う協定を結んだ。圏域で唯一の歯科口腔(こうくう)外科を有し災害拠点病院にも指定されている同病院に患者を搬送したり、同病院歯科医師が現地で応急処置したりして被災者を支援する、全国に先駆けた取り組みだ。

 協定の内容は、①災害時に歯科医療が必要な急性期患者を同病院で受け入れる②同病院歯科医師による急性期患者の治療を目的とした他院などへの派遣―の2点。

 西胆振で有珠山噴火や地震が起きた際、同歯科医師会は被災地で支援活動を行う。顎や顔面の骨折などで緊急の歯科医療が必要となった被災者に対し、応急処置の上で設備の整った同病院へ速やかに搬送し対処する。災害拠点病院の同病院は、入院患者約500人分の食料や飲料水を数日分備蓄しているほか、簡易ベッドや医療器材、医療消耗品などを保管。歯科関係ではポータブル式診療ユニットがあり、同病院歯科医師が被災地に出向き、治療を行うことが可能だ。

 2000年(平成12年)の有珠山噴火、11年の東日本大震災で支援活動に携わった同歯科医師会の仲川弘誓会長は、災害発生直後は現地が混乱し、速やかな歯科医療が提供しづらい現状を経験。「事前に取り決めしておけば効率的な支援を行える」と1年前から同病院に打診し、室蘭市や胆振総合振興局の協力も得て協定締結が実現した。仲川会長によると、同様の協定締結のケースは全国的に聞いたことがないという。

 同病院を運営している社会医療法人母恋の有賀正理事長は「医療人として組織として社会に貢献する」という法人の使命として、協定を結んだと強調。歯科口腔外科の榊原典幸主任科長は歯科医師は現在6人体制とマンパワーが充実している中、「被災者への適切な治療に努めたい」と力を込める。今後は年1回ペースで会合を開き、情報交換や協力体制の強化を図る。

 同歯科医師会は西胆振3市3町の歯科医師110人で組織。日鋼記念病院は西胆振の中核病院の一つとして職員785人体制だ。

 ※榊原典幸主任科長の「榊」は「示」が「ネ」

関連記事

函館新聞

品種開発より速く 道南農試で真夏の稲刈り【北斗】

 【北斗】道総研道南農試(市本町、藤田真美子場長)は25日、世代促進温室で試験栽培している水稲の収穫を行った。コメの品種開発をより速くするための試験で、今年1期作目。黄金色に実った稲を、職員ら8...

函館新聞

仏モンティーユ社のワイナリー完成 観光振興に一役 函館市桔梗町【函館】

 仏ブルゴーニュ地方の老舗ワイナリー、ドメーヌ・ド・モンティーユ社の現地法人「ド・モンティーユ&北海道」のワイナリー(醸造所、函館市桔梗町)が完成し、26日に現地で開所式が開かれた。世界的に知名...

釧路新聞

気球体験で阿寒湖一望 地域住民ら空の旅【釧路市】

  マリモで釧路を盛り上げ隊(浅野一弘会長)と釧路みなとライオンズクラブまりも支部(馬場英樹会長)は21日、「気球体験会」を釧路市阿寒湖畔スポーツ広場(阿寒湖温泉5)で開いた。地域住民や外国人観光客...

苫小牧民報

姿勢整え精神統一 28日まで中央院で朝座禅会 苫小牧

苫小牧市元町の曹洞宗寺院「中央院」(荒澤道範住職)は26日から28日まで、本堂で朝座禅会を開いている。初日は市民ら20人が参加。早朝の静寂の中、1時間にわたって精神統一した。  朝座禅会は市民...

苫小牧民報

燻製カシュー ハスカップの枝で 起業型地域おこし協力隊の山下さん 厚真

厚真町の起業型地域おこし協力隊として活動する山下裕由(ひろゆき)さん(34)は、町の特産品ハスカップの剪定(せんてい)された枝を使用していぶしたカシューナッツを開発した。町周辺の木材を活用していぶ...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス