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苫小牧民報

白老町立国保病院の改築業者選定 フジタ、久米設計、岩倉建設、岩崎組の4社JV

白老町は、町立国保病院の改築事業を担う事業者について、大手建設業フジタ(東京)を中心に久米設計(同)、岩倉建設(札幌)、岩崎組(白老)の4社で構成する共同企業体(JV)を選定した。町は近く、4社JVと建設事業の基本協定を結び、企業側からの提案をベースに基本設計や地盤調査に着手する。新病院は町日の出町3の現地に建設し、2023年度に施工、24年5月のオープンを目指す。

フジタなど4社JVが提案した新病院のイメージ図

 設計・施工を一括発注する事業者については、町の選考委員会が16日、7事業者・共同企業体から新病院建設の技術提案を受け、審査の結果、フジタなど4社JVを選定した。

 JV側が提案した新病院は、鉄筋コンクリート造り4階建てで延べ床面積4293・6平方メートル。道が示した浸水深4メートル未満の津波想定を踏まえ、1階部分は高さ4メートル超の吹き抜け空間のピロティとし、津波が襲来しても建物への被害を軽減させる構造とした。2階部分に主玄関や外来診察室などを設け、来院者は1階ピロティからエレベーターで2階フロアに上がれるようにする。3階は一般病床40床の病室と、医療と介護福祉サービスを提供する介護医療院を備えるほか、リハビリスペースを設ける。4階には機械室を整備する。

 また、2階の主玄関につながるスロープを設け、救急車両がスムーズに患者を搬送できるように設計。2階部分の屋外に設けるリハビリ運動用スペースや、高さ8メートルの3階屋上は津波の緊急避難場所として災害時に活用する。建物は、現病院の敷地の南側に建設するとした。

 町は今年度、JVの提案内容をベースにした基本設計に取り掛かり、22年度に実施設計や地盤調査を進めるなど改築事業を本格化させる。23年度に着工、完成させ、24年5月に開業。その後、現病院を解体する。

 町の改築基本計画では、診療科目を「内科」「整形外科(外科)」「小児科」とし、出張医による循環器内科、呼吸器内科、皮膚科の外来診療体制も整える。バリアフリー構造の病室は4人部屋7室(28床)、個室10室(10床)、感染隔離個室2室(2床)とし、広域の医療連携で回復期患者を受け入れる地域包括ケア病床を整備する方針も示した。建設費や医療機器購入費などを含めた総事業費は32億1000万円を想定している。

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