１８歳以下の子どもに１０万円相当を支給する政府の新型コロナウイルス対策について、道南では全市町が現金給付を行う方針を固め、クーポンのみの給付を行う自治体はないことが１９日までに函館新聞の取材で分かった。現金給付の方が迅速で使い勝手がいいと判断し、一括または分割で対象者の口座に振り込む。各市町は全額現金での給付に向け事務作業を進めている。

■函館は２３日に５万円、年明け残り５万円

　函館市は国の所得制限限度内の世帯に対し、２３日に現金５万円を口座振り込みで支給する。残りの５万円分も現金での支給準備を進めているが、年内一括の給付は難しく、来年１月６日の支給となる見通し。所得制限は継続する方針。

■北斗は２８日までに一括現金

　北斗市は一括現金支給の方針を決め、２２日の臨時市議会に関連予算を提出する。２４日に可能な限り一括支給を想定し、遅くても年内２８日までとする。所得制限は設ける。同市子ども・子育て支援課では「国の方針が二転三転し、振り回された」と漏らす。

　七飯、森、鹿部の３町はいずれも現金１０万円の一括給付で、国の方針通り所得制限を設ける。七飯町は２４日、森、鹿部両町は２８日に振り込む。

■所得制限設けない自治体も

　木古内町は、所得制限を設けず１８歳以下に全額１０万円を現金給付する。１６日の定例町議会で事業費を追加計上し、２８日に支給を始める。

　知内町は、児童手当受給者に２９日から５万円の先行給付を始める。それ以外は年明けから順次支給。残りの５万円は、現金給付の方向で２２日の臨時町議会で予算措置後に支給。いずれも所得制限は設けない。

　福島町は、児童手当受給者に２４日から５万円の先行給付を開始。それ以外は年内をめどに順次支給する。残りの５万円は、現金給付の方向で１月の臨時町議会で予算を追加する。いずれも所得制限は設ける。

　松前町は、児童手当受給者に２７日から５万円を先行給付。それ以外は１月中旬をめどに順次支給する。残りの５万円は、現金給付とし１月の臨時町議会で予算措置し、いずれも所得制限は設ける。

　江差町は２８日、児童手当の受給者に先行の５万円を支給。ほかの高校生などは申請書を受け付け後、来年１月から支給する。残り５万円も１月以降に現金で支給を目指す。

　上ノ国町は、９日に案内文を送付し、１６日まで受給拒否の届け出を受け付け、２８日に児童手当支給口座や、昨年度の特別給付金支給口座に振り込む。高校生など一部は支給手続きが異なるため、来年１月以降の支給。残り５万円は、現金支給の方針で１月に予算化を見込む。

　厚沢部町は、児童手当の受給者を対象に、２９日に１０万円を一括給付。ほかの対象者には申請書受付後に給付予定だが、先行５万円支給の予定で用意していた申請書類を作成し直すため、申請書の発送日を含め支給日は未定。

　乙部町では、９日付で案内を発送し、１５日までに受け付けた申請書と、その後処理した分を２８日に支給。残り５万円分はクーポン支給も含め検討中。