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網走タイムズ

投資詐欺に注意、シールで喚起 高校生が特別販売会 創業100周年の倉繁醸造【網走】

特別販売会で商品を手渡す南ケ丘高の生徒と倉社長(後方)

 【網走】日本最北の醸造元、倉繁醸造(倉信一郎社長)が、創業100周年を記念して取り組んでいる「投資詐欺」への注意を促すシールを貼った同社商品の特別販売会が、市南4西3のスーパー100で行われた。販売には、シールのデザインを手がけた網走南ケ丘高の生徒が協力。購入する市民に「投資詐欺に注意して」などと呼びかけた。

 同店前に設けられた販売ブースには、同社の「知床こんぶ醤油」「はまなすみそ」が並べられ、生徒たちが商品を手にして販売開始の時間を待ったが、午後3時半のスタートを前に、すでにブース前には購入する市民の行列ができた。

 販売が始まると、代金を支払った市民がしょうゆ、みそのどちらかを選んで購入。生徒が「ありがとうございます」と礼を述べると、市民は「頑張ってね」などと励ましていた。

 特別販売会では、どちらの商品も100円という「超特価」で提供。購入した市民は「みそとしょうゆの両方欲しかったが、1家族でどちらか1つということなのでしょうゆを購入した。地元の商品だし、高校生も頑張っているので、協力した」と話していた。

 標語を考えた生徒の1人、永本耀佑さん(3年)は「読んでインパクトのあるものにしたかった」、シールをデザインした美術部員の1人、宮本温光(はるあき)さんは「親しみやすさを考えて、昭和のアニメ風なデザインにした」と話していた。

 網走署によると、企業などが自ら発案して犯罪防止や地域の安全に取り組む「防犯CSR活動」は現在、道内各地で行われているが、商品にシールを貼って呼びかけるのは珍しいという。

 特別販売会では、網走署生活安全課の署員も参加し、特殊詐欺被害に注意を呼びかけたが、網走署は「しょうゆ、みそはどこの家にも必ずあり、いつも目にするものなので、注意喚起の効果も高い。警察では思いつかない、良い発想」と話し、アイデアに感心しながら同社や生徒たちの取り組みに感謝していた。

 同社は来年、醸造業を始めて100年となり、そのプレ記念事業として市民に恩返しができないかと思案。倉社長が防犯と関わりを持っていたことから、自社の商品を通じて大きな社会問題となっている特殊詐欺への注意喚起を発案した。

 特に、振り込め詐欺や還付金詐欺などと違い、老若男女を問わず被害に遭う可能性のある「投資詐欺」に絞って啓発することにし、市民に呼びかける方法として、注意を促すシールを作成。同社の製品に添付することにし、標語やデザインを南高生に依頼した。

 今回の特別販売会は、そのシール付き商品のお披露目。今後も、同店をはじめ同社商品の取り扱い店で販売する商品に添付される。

 同社は1921(大正10)年、倉繁太郎氏が市内北8西1に雑穀仲買業「倉繁商店」を開業したのが始まり。1926(大正15)年、醸造所を建て、みそとしょうゆの醸造を始めた。2010年、本社と工場を呼人341に移転し、現在に至っている。

 以前は道内各地に醸造元があったが、現在は多くが廃業。現在、旭川市にある醸造会社は北緯43度46分、倉繁醸造は北緯43度57分と、ほんの少し倉繁醸造が北にある。

 これより北には醸造会社はなく、同社は「日本最北の醸造所」をうたい、「キッコーヤマカノー」の商標で、しょうゆやみそを作り続けている。

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