故人をしのび祭壇に献花する参加者

　函館市は２８日、今年度の市戦没者追悼式を函館アリーナで開いた。約１００人が戦争での犠牲者の冥福を祈るとともに、恒久平和を誓った。

　大泉潤市長は式辞で「戦争の悲惨さと平和の尊さを次世代に継承することが、今を生きる私たちに課せられた使命だ」と力を込めた。

　鈴木直道知事代理の佐藤秀行渡島総合振興局長、吉田崇仁市議会議長が追悼の言葉を述べた後、遺族を代表し高橋良子さん（７９）＝湯浜町＝が戦禍に倒れた父をしのび「私は父の顔を知らないが、困ったときはいつもそばにいてくれた」と述懐。「悲惨な戦争は二度と繰り返してはならない。戦争を知らない子や孫たちの世代に平和の大切さを伝えたい」と決意を話した。

　遺族が祭壇に献花し、物故者に思いをはせた。最後は浜野幸子市連合遺族会会長が不戦の誓いを新たにした。

　市保健福祉部によると、追悼式は無宗教で行い、１９９５年度から現在の形となった。対象は日露戦争から太平洋戦争までの市内の戦没者計５４０６人。