北方領土啓発 クイズ作成 高校生Nサミットグループワーク【標津】
【標津】根室振興局は30日、管内の高校生が北方領土の啓発に取り組む「高校生Nサミット」夏のグループワークを町内で行った。管内6校の17人が参加し、今年度の活動テーマである出前授業で活用する小中学生向けの学習教材「北方領土クイズ」の作成に取り組んだ。
同サミットは今年度4回予定され今回が2度目。5月の初回には11人がオンラインで参加し、北方領土で日本人が営んでいた産業や返還運動に関するクイズを作成する歴史グループ、動物や植物、気候などの問題を作る自然グループ、北方領土の地理や風景を中心とした地理グループに分かれ、クイズのコンセプトなどを話し合った。
この日は、午前中に北方領土館の見学や千島歯舞諸島居住者連盟標津支部の福沢英雄支部長が語り部を務める講話に耳を傾けた。午後からは役場2階集会室でグループワークを行った。
このうちグループワークは、歴史、自然、地理のグループに分かれ、参加者それぞれが考えたクイズ案を紹介し合い、討議を通して問題と解答を完成させた。福沢支部長は各グループを巡回し参考意見を提供。同振興局の所健一郎局長も参加者の様子を見守った。
最後の総括では、歴史グループから「千島列島の帰属についてサンフランシスコ平和条約でなぜ決められなかった」、自然グループでは「北方領土は年間を通して気温が低い理由」、地理グループは「北方領土の総面積はどの都道府県と一緒か」などの問題と解答が発表された。また会場では中標津支援学校の生徒が北方領土返還要求運動(北方領土プロジェクトN)の取り組みを啓発するため制作した「N」のロゴを入れた皿(4枚、直径約20㌢、陶製)も披露された。
初めて参加した標津高3年の小林巧さん(17)は「きょうの活動が北方領土についてより関心を深めるきっかけとなった。8月の中標津町での署名活動に参加するが、返還運動の重要性をしっかりと訴え活動したい」と笑顔を見せた。
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