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十勝毎日新聞

アスパラぐんぐん 82歳・鷲北さん最後の収穫作業【音更】

 春の味覚アスパラガスの収穫が、音更町然別の鷲北正一郎さん(82)のビニールハウスで行われている。ハウス内では薄緑色の茎が元気に伸び、一足早く春の訪れを告げている。

「太く甘く、今季も抜群」

ビニールハウス内でアスパラの収穫作業をする鷲北さん(町然別)

 鷲北さんはハウス6棟で約30アールを栽培。今年も太さや生育状況は良好という。収穫は15日から始まり、連日早朝から鷲北さんと妻の玲子さん(79)、パート作業員が、収穫・選果作業に汗を流している。

 2重に覆われたハウス内には、1棟につき四つの畝が設けてあり、それぞれビニールをかぶせて温度を管理している。朝方はジェットヒーターを使って室温を10度ほどに上げ、畝にかぶせてあるビニールシートを外してからアスパラの収穫作業に入る。

 飲食店で使わなくなった古い腰掛けを活用した自作の収穫用三輪車で、畝と畝の間を転がしながら、25センチ以上に成長し、食べ頃になったものから1本ずつはさみで収穫していく。収穫したアスパラは23センチに切りそろえて、太さによってSから3Lまで6種類のサイズに選果し、出荷する。鷲北さん夫妻は「今シーズンも太くて、甘くて、抜群においしい」と笑顔で太鼓判を押す。

 現在の収量は1日50キロほどだが、4月中旬のピークには約80キロ近くになるという。収穫、選果作業は6月ごろまで実施予定。すでにJA木野(黒田浩光組合長)の子会社が運営するスーパー「ハピオ」などに出荷している。

 ただ、鷲北さんにとってこの収穫作業は今年が最後になる。高齢を理由に、今季でアスパラ栽培をやめると決めたからだ。鷲北さんは「二人とも80代になるので。来年からは新しい人に引き継いでもらう」と話している。

 町内のアスパラの作付けは、JA木野管内では、ハウス栽培が3戸約80アール、露地栽培が1戸約5アール。JAおとふけ(土田純雄組合長)管内では、ハウス栽培が4戸約27アール、露地栽培が10戸約360アールとなっている。

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