津波襲来に備えろ! 網走海保が機能移転訓練【網走】
【網走】網走海保でこのほど、道東での巨大地震による大津波を想定した海保機能移転・現地災害対策室設置訓練を実施した。
訓練は、カムチャッカ沖を震源とするマグニチュード7・0の地震が発生。電気や水道、電話などのライフラインが寸断した上、高さ2㍍を超える津波が襲来する―という想定で実施した。
網走海保は津波到来に備え、海難即応体制のために巡視船「そらち」を緊急出港させ、庁舎が一部倒壊し、発動発電機が起動不能となったことから、庁舎機能を高台の網走地方気象台に移転させる流れ。
行地明男所長が緊迫感を高めて「庁舎機能を移転。かかれ!」と号令をかけると、職員は瞬時に、緊急時でも使用できる海保独自の通信機器や海図、バックアップ電源システムなどの資機材を避難用車両に積み込み、高台へ移動した。
気象台到着後は現地災害対策室を設置。非常電源などを機動した後、にアンテナなどの通信機器、海図などを展開。巡視船などの関係機関と無線交信訓練を行うなど、緊急時の練度を高めた。
行地署長は「海保は国民の安全、安心を守る機関の1つ。いつ、どこで起こるか分からない津波に備え、移転手順や動作確認のほか、災害に対する職員の練度、意識レベル向上を目的に訓練を重ねていく」と力を込めた。
その上で「災害発生時は個人、個人の備えも重要となる。ハザードマップを確認するなど、日ごろから災害に対する意識を持ってほしい」と呼び掛けた。
網走地方は近年、津波による災害被害は発生していないが、全国的には能登半島地震など、地震や津波による大規模災害が発生している。
網走市では、北海道東方沖を震源とする地震で、2006年と07年に津波警報が、10年の東日本大震災の際は津波注意報が発令されており、06年は市民4千人強が避難し、07年は約9500人が高台を目指した。
10年は網走港でも潮位変動が確認され、関係機関は震源から離れていても津波の危険性が及ぶことを再確認している。
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