暴風雪災害から人命を守れ! 道警と開発が合同訓練【北見】
【北見】災害級の暴風雪を想定した災害警備訓練が、網走開発建設部北見道路事務所で開かれた。道路管理者や事業者、警察らが参加し、大規模災害時の人命救助など、災害対応の練度を高めた。
2013年3月、網走市と湧別町、中標津町で猛吹雪に巻き込まれて9人が死亡した暴風雪災害を教訓に、網走開建と道路維持事業者、道警北見方面本部が14年から合同で訓練を実施している。
訓練は、管内で大規模な暴風雪災害が発生。人命を救助するために吹きだまりや放置車両の撤去など、迅速に道路啓開を進めて緊急車両のルートを確保することが目的。
今回は、暴風雪による吹きだまりで、立ち往生した車に人が取り残されている。110番通報を受けたが、現場まで緊急車両が進入できない。迅速に道路を切りひらけ―という想定で実施した。
警察から連絡を受けた開建と事業者は、除雪車で現場へ急行し、進入ルートを確保しつつ、放置車両をリフト車で移動。緊急車両が通行できる状況を整えていった。
その後、道警の災害救助チームが現場に臨場し、吹きだまりで埋没した車から通報者を救助し、道路で行き倒れ、雪に埋まった人を見つけ出した。
また、広範囲の雪崩に巻き込まれ、行方が分からなくなった車両の探索、閉じ込められた人の救出訓練なども行い、暴風雪災害に対する関係機関の連携や個別の練度を高めた。
網走開建の二ノ宮秀彦道路防災推進官は「本道の暴風雪は命に直結する。万が一の際、ちゅうちょない通行止めで予防しつつ、立ち往生などが発生した場合は、関係機関と連携して迅速な対応をできるよう備えていく。訓練していないことは本番で実践できない」と力を込めた。
道警北見方面本部の野村憲成警備課長は「災害発生時は、初動の対応が重要となる。有事の際は、開発などの関係機関と一致団結して臨んでいく」と語った。
その上で、ドライバーには「天気予報をよく確認し、危険な時は外出しないのが一番だが、万が一、災害に出くわしたら車から出ず、110番通報する。また、平素から車にスコップなどを積んでおくことも重要」と広く呼び掛けた。
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