藻琴湖の環境変化を知って 網走東小で出前授業 児童がシジミを学ぶ【網走】
【網走】藻琴川環境保全対策連絡協議会の出前授業が網走東小で開かれ、同湖を漁場とする漁業者が児童に藻琴湖の環境やシジミについて話をした。
同湖特産の「寒しじみ」を通して、豊かな同湖の自然環境とその保全について、同川流域の子どもたちに知ってもらおうと、同協議会が2017年から小学3年生を対象に開いているもの。網走漁協藻琴第一部会の角田翔平さんが講師を務めた。
同小の3年生は、総合的な学習で地域の環境をテーマに学んでおり、今回はその中の授業として行われた。
角田さんは、藻琴湖は真水と塩水が混じる汽水湖だが、ほかと比べ塩分が濃いことから大きくておいしいシジミが獲れること。他の漁場で漁獲がなくなる冬に、大きなシジミを選んで獲っていたため「寒しじみ」として有名になったことなど、藻琴湖のシジミについて説明した。
しかし、近年は藻琴湖の環境が変化し、1990年代は年間十数㌧の水揚げがあったのが、現在は2㌧ほどに減っているとした。
その理由について角田さんは、シジミは砂のあるところに生息し、泥などは嫌うとした上で、湖をきれいに保つためには緑豊かな河川環境を作ること、畑の土が川に入らないようにすることが大切と児童に話した。
この環境を守るために何をすればよいか、角田さんから問い掛けられた児童は「ごみ拾いをする」などと回答。これを受け、角田さんが「そのほかにも、山や川沿いに木を植えたり、畑から土が流れ込まないようにすることで、環境を守れます」と説明すると、児童はうなずきながら聞き入っていた。
シジミについてひと通り説明を終えた児童は、角田さんが持参した藻琴湖のシジミ漁で使う道具に触れた。
また、シジミやカキといった藻琴湖で採れる貝類のほか、ホッキやホタテなどの貝殻も並べ、名前を当てるクイズにも挑戦。シジミやホタテはすぐに分かったが、中には見たこともない巻き貝、二枚貝もあり、児童も正解が分からず悩んでいた。
中でも、児童が一番興味を示したのは、シジミと似ている「イソシジミ」と、これに似た「ウソシジミ」の2つ。その名の面白さに、児童は「えっ、うそ!?」と盛り上がっていた。
藻琴川とその河口近くにある藻琴湖は近年、流域の畑作地帯から土砂や余剰堆肥が流入し、湖の富栄養化や土砂の堆積など、水環境に与える影響が懸念されている。
同協議会は同川流域の自治体や農漁協、開建、振興局などの関係機関や団体で組織。流域でのごみ拾いやイベントに参加しての啓発など、同川と同湖の環境保全に取り組んでいる。
出前授業もそのひとつ。当初は東小のみだったが、現在は藻琴川の上流に位置する東藻琴小でも出前授業を開いている。
関連記事
ワールドチーズアワード2024 シルバー賞受賞 プロセスグループ夢民舎 安平
安平町のプロセスグループ夢民舎(宮本正典社長)は、15~18日にポルトガルで開かれたチーズの世界大会ワールドチーズアワード2024に「スモークカマンベールチーズはやきた」(120グラム、950円)...
最優秀賞に滝沢さんの「タラとホッキのさくら丼」 マルトマ苫卸売の料理コンテ..
苫小牧市公設地方卸売市場・水産物部(汐見町)の指定管理者、マルトマ苫小牧卸売(西田浩一社長)が8月に募集した第3回苫小牧産お魚料理コンテストは、有珠の沢町の主婦滝沢京子さん(81)の「タラとホッキ...
集まれ「藤丸サポーター」 応援制度で整備資金の協賛募る【帯広】
「藤丸」再建の資金調達などを担う地方創生ベンチャー・そら(帯広市、米田健史社長)は、新たに「藤丸サポーター制度」を立ち上げる。来夏にも期限付きで開設する「藤丸パーク」をはじめ、新藤丸の整備まで...
サウナ飯投票 30日まで募集 42店参加「グランプリ」【帯広】
帯広観光コンベンション協会(梶原雅仁会長)と十勝サウナ協議会(後藤陽介会長)は30日まで、サウナ後に食べる「サウナ飯」を競う「S(サウナ飯)-1グランプリ」を開催している。JR帯広駅から半径約...
メランジェラボ、TOPPAN社員と「ナガイモスイーツ」開発【芽室】
十勝管内に滞在し、地方で働く人材増加に向けた実証事業を行っている総合印刷会社「TOPPAN」(東京)の社員4人は、芽室町内の菓子店「Melanger Labo.(メランジェラボ)」(東1ノ2、小...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
2焼き魚をテークアウトで 移動販売「えぞ吉」が専門店開業【帯広】
3ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】
4クラフトビール醸造開始 苫小牧産いよいよデビュ
5桜庭さん勝負の1年 ボウリング 12月マレーシアで大会 来年のデフリンピック代表目指す【函館】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
3釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
4旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】
5ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】