ぶれ補正、撮影詳細に

更新されたＰＥＴ－ＣＴ装置

　日鋼記念病院（室蘭市新富町、高橋弘昌院長）は、がん検査で用いられるＰＥＴ－ＣＴを更新した。従来と比べ、呼吸による体のぶれを自動で補正する機能が加わり、詳細な病変部位の撮影が可能となった。撮影時間も短縮されることで、患者への負担軽減も期待される。

　ＰＥＴは、薬剤を体の中に投与して、薬剤から出る放射線を撮影し、がんの有無や広がり、他臓器への転移などを調べる検査。薬剤にはブドウ糖に似た成分が含まれており、がん細胞が正常な細胞と比べて３～８倍のブドウ糖を取り込む性質を利用し、放射線の量を測定することでがんを可視化する。

　今回更新したＰＥＴ－ＣＴは、ＧＥヘルスケア社製。呼吸による画像のぶれを自動的にデータを計算し補正することで、これまで検出できなかった小さな病変も明確に撮影できるという。ノイズを抑えた鮮明な画像が得られるほか、検査時間も短縮されるため患者の負担軽減も期待されている。

　同様に、核医学検査の機器であるＳＰＥＣＴも更新した。ＰＥＴは主に糖の代謝を画像化するが、ＳＰＥＣＴでは、検査する部位に合わせた薬剤を投与し、臓器などの代謝を撮影して状態を把握する。

　同院は、道内先駆けとなる１９９８年にＰＥＴを稼働。今回で３台目となる。同院は「正確な検査が可能となり、より適切な診療が可能となる」としている。