ムツゴロウさんを感じて あすから中標津で回顧展【中標津】
【中標津】「ムツゴロウ」の愛称で親しまれ、今年4月5日に87歳で亡くなった作家畑正憲さんの絵画などを集めた回顧展が25日から、町総合文化会館で始まる。町文化スポーツ振興財団が、今年度の中標津ゆかりの芸術展として主催。遺品や遺作を初めて地元で披露する長女の津山明日美さん(62)は、「父の一部分を感じてもらえたら」と話している。
畑さんは福岡市出身。東京大で生物学を学び、記録映画製作会社勤務を経て1968年に作家デビュー、「われら動物みな兄弟」で日本エッセイスト・クラブ賞、77年に菊池寛賞を受賞した。71年に道内に移住し翌年浜中で「動物王国」を開業。78年には中標津に移り、牧場を営む傍ら創作活動に励んだ。2017年に心筋梗塞を発症して以降は自宅で療養し、今年4月に亡くなった。
会場には、畑さんが83年から東京銀座で開いていた個展の形式を採用し、アクリル画や絵付けした陶器、直筆原稿など約50点が並ぶ。80年から20年以上続いたテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」で着用していた特注の衣服のほか、86年の監督作品映画「子猫物語」の猫チャトランと触れ合う皇太子時代の上皇・上皇后との写真もある。
津山さんは「父は周りを照らす太陽のような人だった。カラフルで自然と笑顔になるような作品をぜひ見に来て」と話している。12月3日まで午前10時~午後8時、無料。
えぞ鹿フェスも
○…回顧展初日の25と26の両日は、有害駆除されたシカの有効活用を考えるイベント「えぞ鹿フェスティバル」が同じ館内で開かれ、革細工や食肉加工など約20のブースが並ぶ。実行委員長で、シカ肉をペットフードに加工する「IN―U(インユー)」の菅美子代表は畑さんの牧場の元従業員で「4回目の今回は食肉用の冷凍シカ肉やジャーキーを初めて販売する。初出展のブースもあるのでぜひ来場を」と呼び掛けている。両日とも午前10時~午後4時、無料。
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