寒空の中、元気に南コミセンを出発する参加者

　【網走】市内のつくしヶ丘地区協議体と、同地区健康推進協議会が、地区内を会話しながら歩いて健康づくりや清掃活動をする「つくしヶ丘地区ウオーキング・トーキング・キャッチング」を開いた。市が実施主体で、市社協に委託している「生活支援体制整備事業」を活用したもので、子どもから高齢者までの約60人が参加。世代間の交流を深めながら地域を歩き、清掃した。

　当日は青空が広がったものの、気温は５度前後で風も強いあいにくの天気。それでも、南コミセン横のゲートボールコートに集まった参加者は、みなコートやマフラー、手袋としっかりと防寒対策を施し、準備は万全。

　主催者の１人、つくしヶ丘地区連合町内会の山崎建治会長は、このイベントを開くに至った経緯について「地域の課題解決に向けた取り組みとして、昨年は防犯教室を開いており、今回はそれに続くもの」と説明した。

　その上で「地区内の企業や団体から多くの協賛をいただいたほか、こんなに多くの人に参加してもらえた」と感謝の言葉を述べるとともに「今後もこのようなイベントを開いていくので、ぜひ参加を」とあいさつした。

　また、ウオーキング中の安全を確保するため、網走署駒場交番の署員２人もパトカーで駆けつけ「道路を歩くときは歩道を」「道を渡る時は横断歩道で、右を見て左を見て、また右を見てから」などと交通安全を呼びかけたほか、未だ被害がなくならない特殊詐欺についても注意を促した。

　ウオーキングのコースは３つ。いずれも南コミセンがスタート、ゴールの約４㌔で、参加者は３つのグループに分かれてそれぞれのコースを歩き、地域内の公園や企業などを巡りながら、道路脇や土手などの目に付いたごみを拾い集めた。

　途中、３コースとも共通して立ち寄ったのが、市地域包括支援センターマウニ（つくしヶ丘３）。ケアサービスはまなすなどを運営する社会福祉法人緑明会が10年ほど前に開設したものだが、地域住民に存在をあまり知られていないことから、コースに組み入れたという。

　髙橋広希センター長は、「地域包括支援センターを、初めて聞いた人はいらっしゃいますか」と参加者に問いかけ、数人が手を挙げたのを確認すると、「高齢者の何でも相談センターです」と役割などを説明した。

　その上で「小学生の皆さんも、お家のおじいちゃんやおばあちゃんが困っていたら『マウニに相談してみたら』と、教えてあげてください」と、遠慮ない利用を呼びかけた。

　同センターからは、あめと温かい飲み物の差し入れが配られ、参加者はゆっくりと体を温めながら、ゴールを目指して元気に歩いていた。

　生活支援体制整備事業は、団塊世代が75歳（後期高齢者）になる２０２５年を目途に、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域ごとに「元気（介護予防）」と「支え合い（生活支援）」を広げるのがねらい。

　町内会の地区割りでもある「地区連」を基盤に、市内17カ所で推進。各地区の特性を生かした取り組みを進めている。