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網走タイムズ

留守番電話で詐欺被害回避 演歌歌手の走さんと網走署が協力 警察官が留守録設定します

網走署は走さんの応答メッセージを設定する留守番電話作戦を展開している

   【網走】地元出身の演歌歌手・走裕介さんと網走署は「特殊詐欺から市民を守ろう」とタッグを組み「詐欺被害撲滅・留守番電話作戦」を展開している。

 全国で特殊詐欺の被害が相次ぐ中、走さんは「古里の被害を防ぐため、できることを」と網走署と協同で、留守番電話作戦に乗り出した。

 留守電作戦は、自宅の固定電話を常時、留守番電話設定にし、その応答を聞くことで、電話に出る前に相手を確認し、不審な相手からの電話には出ず、詐欺被害を未然に防ぐもの。

 昨年、道警が実施した特殊詐欺被害者アンケートで、犯人からの接触手段の4割超が固定電話で、不審な電話に出ないことが「被害の未然防止に重要」ということが改めて確認された。

 このことから、走さんは網走署管内(網走市、大空町)の住民を特殊詐欺から守ろうと、走さんはボランティアで、自身の声の留守番応答メッセージを作成し、同署へ「つかってほしい」と提供した。

 応答メッセージは、犯人が〝いやがる〟という「通話を録音している」ことを相手に伝えるもので、警察が監修している。

 走さんの声で「この電話機は詐欺被害防止のため、留守番電話にしております。恐れ入りますが、お名前とご用件をどうぞ」というメッセージが電話の相手に流れる。

留守番電話応答メッセージを作成する走さん(網走署提供)

 また、「振り込め詐欺対策として、お名前とご用件を確認しております。不審な電話はすぐ、警察に通報します」のパターンも用意している。

 走さんはビデオメッセージで「ふるさと網走で、特殊詐欺の被害や相談が多数、警察に寄せられていることを知り、地元の皆さんがこれ以上、特殊詐欺被害に遭わないために、何かできないかと、留守番電話メッセージを作成した」と語っている。

 その上で「犯人から直接、電話を受けないことが大事。留守番電話を聞き、冷静に判断して、連絡が必要な相手とだけ話をすることで、被害を防ぐことができる」と指摘。

 最後に「少しでも変だなと思ったり、不安に感じた場合は、遠慮することなく、家族や警察に連絡しほしい」と呼び掛けている。

 網走署は、留守番電話応答メッセージを活用するため、各世帯への訪問設定サービスに取り組んでいる。

 電話の設定が分からないケースなど、網走署へ連絡すると、地域の「おまわりさん」が巡回し、自宅の固定電話に走さんの応答メッセージを入れてくれる。

 市鱒浦、矢吹一世さん(86)宅では、同署の警察官が特殊詐欺の被害状況などを説明しながら、留守番電話の設定を行った。

 矢吹さんは「今まで何の対策もしていなかったから本当に心強い。近所でも詐欺の電話がきたことがある。被害に遭わないよう、これからも注意していく」と話していた。

 同署生活安全課の堀川悠介課長は「網走署に寄せられた相談は9月末までに30件を超えているが、氷山の一角とみている。犯人から固定電話にかかってきたケースも多い」と話す。

 その上で「被害を防止する上で、在宅時でも固定電話を留守番電話に設定することが有効。地域住民には走さんの留守番電話応答メッセージを使って、留守番電話設定をすることで、特殊詐欺被害を回避してほしい」と呼び掛けている。

 同署管内では9月中に50代女性が2700万円、60代女性が600万円をそれぞれだまし取られる高額特殊詐欺事件が起きているほか、別件での被害も確認されている。

 同署は「少しでも不審に思ったら、すぐ家族や警察に相談してほしい」と広く呼び掛けている。

 特殊詐欺の相談は、警察相談専用ダイヤル「#9110」か網走署(☎0152・43・0110)へ。

 留守電作戦の録音設定は、同署の生活安全課か地域の交番へ連絡すると、巡回中の警察官が行う。

 写真説明 ①  留守番電話応答メッセージを作成する走さん(網走署提供) ②  網走署は走さんの応答メッセージを設定する留守番電話作戦を展開している

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