サイン会でファンと交流する桜木さん

　釧路出身の作家桜木紫乃さんの新作『彼女たち』の発売を記念したトークショーとサイン会が２２日、コーチャンフォー釧路店で開かれた。桜木さんは、慣れ親しんだ会場で、ファンと交流、言葉を交わした。

　同著はさまざまな環境の中で生きる３人の女性の姿を桜木さんの文章と、写真家中川正子さんの写真とともにつづったフォトストーリー。日常にある孤独や壁にぶつかりながら、前に進む〝彼女たち〟の姿が描かれ、桜木さんは「生きることをしんどいと感じている人に読んでほしい、渡してほしい」と力を込める。

　同店入り口で行われたトークライブには気温１２度の肌寒い中、約５０人のファンが集まった。来場者に「ただいま」とあいさつした桜木さんは、今年度の活動を報告。新刊については「文章、写真、デザイン、編集を担う４人の力で作り上げた。どこに出しても恥ずかしくない作品です」と胸を張った。

　店内で行われたサイン会は作品を購入した約５０人を対象に行われ、参加者は「応援しています」「頑張ってください」などと声を掛けた。釧路市内から訪れた６０代の女性は長年の桜木さんのファン。「地元釧路の実像を描きながら、力強く生きる女性の姿を描いてくれる。本を読むたびにいつも力をもらっています」と、涙を浮かべながら喜びを語っていた。