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函館新聞

森町、日本製鉄と藻場礁造成 尾白内沖にビバリーロック投入【森】

尾白内沖で海中に貝殻入りビバリーロックを投入する作業船

 【森】森町は今年度、鉄鋼メーカー最大手の日本製鉄(東京)や森、砂原両漁協と連携し、町沿岸でコンブの藻場を造成するための取り組みを進めている。水産資源の再生を目的に同社が開発した人工石材「ビバリーロック」や、同石材に町の水産業で発生したホタテの貝殻を40%含有したビバリーロック、自然石の3種類を海中に沈め、それぞれ藻場の造成にどのような効果がみられるかを比較検証する。

 森町統計書によると、コンブ(天然、養殖)の漁獲量は2021年までの過去5年間15~52トンで推移。藻場再生に向けては森漁協が19年度から、砂原漁協では13年度から天然石の海中投下を続けてきた。ビバリーロックは鉄鋼副産物を主原料とし、海藻類などの着生用基質として、藻場・漁場の造成を助ける製品で、実証効果が得られた地域もあるという。

 計画では森地区沿岸2カ所、砂原地区沿岸1カ所で調査を実施。3カ所にそれぞれビバリーロック、「貝殻入り」、自然石を約200立方メートルずつ沈め、海中環境を同じ条件とした上で、コンブの繁茂の違いなどを調査する。

 19日には尾白内沖の陸から約150メートル、水深2・5メートル付近で、作業船が「貝殻入り」を海中に沈める作業を実施した。今月中にも作業が終了する予定。町によると結果が判明するまで2年ほどを見込んでおり、その間水中ドローンや空撮などで追跡調査を行っていくとしている。町水産課は「コンブの藻場再生に向け、比較検証などを行いながら様子を注視していきたい」としている。

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